メトホルミンの副作用:乳酸アシドーシス【薬剤師がわかりやすく説明】

メトホルミンの副作用である乳酸アシドーシスは胃腸障害から始まり放っておくと死ぬこともある

ビグアナイド薬であるメトホルミン(商品名:メトグルコ)は、インスリン抵抗性を改善することで血糖値を下げる作用があります。
安価な薬なのでよく処方のある薬ですが副作用にも注意です。

この記事では、メトホルミンの副作用である乳酸アシドーシスについて説明します。

まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。

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漫画~乳酸アシドーシスについて~

メトホルミン(メトグルコ)の副作用の乳酸アシドーシス1メトホルミン(メトグルコ)の副作用の乳酸アシドーシス2メトホルミン(メトグルコ)の副作用の乳酸アシドーシス3メトホルミン(メトグルコ)の副作用の乳酸アシドーシス4メトホルミン(メトグルコ)の副作用の乳酸アシドーシス5
以上が漫画になります。

もう少し詳しく知りたい方は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。

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乳酸アシドーシスとは


体内の乳酸の量が増えることで、体が酸性に傾く症状のことをいいます。

乳酸アシドーシスの症状


最初の症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸障害が出たり、筋肉痛や筋肉のけいれんがあらわれます。
進行していくと過呼吸、低血圧、低体温となり、そのまま放置すると死亡することがあります。

乳酸アシドーシスはめったに起きませんがの致死率は50%ほどと言われています。

乳酸アシドーシスの頻度


頻度は不明です。

乳酸アシドーシスの原因

エネルギー産生経路の阻害

ブドウ糖は、2種類のルートを使ってエネルギーを産み出します。

一つは好気性ルート。
酸素を消費するルートでクエン酸回路と呼ばれます。
酸素が十分にあれば、このルートでエネルギーを産み出します。

二つ目は、嫌気性ルート。
酸素を消費しないルートです。
酸素が少ない状態のときに、使われるルートです。

こちらのルートではエネルギーを産生する過程で乳酸が産み出されます。

メトグルコは、好気性ルートを阻害する作用があります。
そのため、エネルギー産生に嫌気性ルートが使われ、乳酸が体内にたまり乳酸アシドーシスが起きます。

インスリン抵抗改善

乳酸は筋肉で作られ、肝臓に運ばれます。
肝臓では糖新生といって乳酸からブドウ糖が作られます。

膵臓から分泌されるインスリンは、乳酸からブドウ糖が作られるのを抑制します。

メトグルコの服用によって、インスリンの作用がよくなるため、乳酸からブドウ糖が作られなくなり、乳酸がたまり乳酸アシドーシスが起きます。

用法用量を守って日常生活でも注意していれば、乳酸アシドーシスはまず起きません。
しかし、下記の人たちは乳酸がたまりやすい状態であり、乳酸アシドーシスを起こしやすいので注意が必要です。

乳酸アシドーシスになりやすい人

乳酸アシドーシス経験者

乳酸アシドーシス経験者は、体質的にも乳酸がたまりやすいと言えるでしょう。

腎機能が落ちている人

腎臓の機能が落ちている人は、メトグルコを外に排出することができず、薬の作用が強く働くことで乳酸アシドーシスを起こしやすくなります。

以下に腎臓の機能が落ちている人をまとめました。

  • 腎臓の疾患を持っている人
  • 透析患者
  • 高齢者
  • ヨード造影剤を使用した人(ヨード剤は腎臓に負担かかるため)
  • 腎毒性の強い抗生物質(ゲンタマイシンなど)を使用した人
  • 脱水状態の人(シックデイ・利尿剤・SGLT薬の服用による場合や高齢者)

肝機能が落ちている人

乳酸は肝臓で代謝されるため肝臓の機能が落ちている人は、乳酸がたまってしまうため、乳酸アシドーシスを起こしやすいです。

以下に、肝臓の機能が落ちている人をまとめました。

  • 肝臓の疾患を持っている人
  • 高齢者

低酸素状態の人

低酸素状態の人は、ブドウ糖を嫌気性ルートで代謝していくため乳酸がたまりやすく、乳酸アシドーシスを起こしやすいです。
以下に、低酸素状態になりやすい人をまとめました。

  • ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓などの心血管系疾患のある人
  • 肺疾患のある人
  • シックデイや利尿剤・SGLT薬の服用などで脱水状態の人(血液の流れが悪くなり、低酸素状態になりやすい)
  • 高齢者(脱水で低酸素状態になりやすい)

アルコール摂取した人

アルコールは乳酸から糖への新生を抑制します。
大量にアルコールを摂取すると、乳酸アシドーシスが起きやすくなります。

乳酸アシドーシスの対策


症状があらわれたらすぐに服用を中止し医師に相談するようにしましょう。

メトグルコの副作用に下痢、吐き気、食欲不振、腹痛などがあります。
この副作用が、乳酸アシドーシスの初期症状である場合があるので注意が必要です。

患者本人はもちろん、その家族にも乳酸アシドーシスについて理解してもらう必要があります。

脱水が考えられる時は、メトグルコの服用を一旦中止しすぐに医師に相談することも大切です。
脱水にならないようにも水分摂取をこころがけましょう。

心不全などで水分の制限がないのであれば、1日1.5Lほどの水分をとりましょう。

そして、定期的に肝機能、腎機能を測定し、肝臓と腎臓の機能が落ちていないかのチェックが必要です。

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高齢者は危険!


乳酸アシドーシスを起こす人は75歳以上の高齢者が多いです。

「乳酸アシドーシスになりやすい人」の項目を見てもらうとわかりますが、高齢者は、腎臓、肝臓の機能が下がっており、脱水にもなりやすいです。
高齢者には特に注意が必要と言えるでしょう。

他の薬剤を検討するのもよいと思います。

以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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