しかし、自分の判断で薬を調節してはいけない。
この記事では、シックデイについて、その対処も含めてわかりやすく説明します。
まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。
漫画~シックデイについて~
糖尿病の薬を自己判断で調整するのは危険です。
あらかじめ医師と相談しましょう。
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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シックデイとは
シックデイとは、英語で書くと“sick day”、「病気の日」を意味します。
つまり糖尿病の人が、風邪や胃腸炎などの他の病気にかかっているときのことをシックデイと言います。
シックデイの時は、普段は血糖値が正常範囲内であっても血糖値が乱れやすくなります。
一般的には高血糖になりますが、低血糖 になることもあります。
高血糖になるとき
ストレスホルモンが分泌されたとき
風邪や胃腸炎などの病気にかかると、発熱、食欲不振、嘔吐、下痢などが起こり、体からコルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが分泌されます。
このストレスホルモンはインスリン抵抗性を高めて血糖値を上げる作用があります。
このホルモンはけがをした時も分泌されます。
そのためシックデイは、風邪や胃腸炎だけでなく外傷ときもシックデイと呼ばれます。
脱水のとき
発熱や、嘔吐、下痢で脱水が起こると血液が濃くなるため、血糖値も高くなります。
食事がとれていないと、低血糖になると思いがちですが、脱水やストレスホルモンの影響で血糖値があがることもあります。
低血糖になるとき
食事がとれないとき
風邪や胃腸炎などの病気になると、食事がとれなくなってしまい血糖値が下がったりします。
脱水のとき
脱水になると腎臓の機能が低下することがあります。
そうなると、普段服用している薬を体の外に出すことができなくなり薬の作用が強く出ます。
その結果、低血糖が起きます。
血糖値が乱れるとどうなるか?
病気の悪化
高血糖になると免疫力が落ちるため病気がなかなか治らず、悪化することこあります。
糖尿病性ケトアシドーシス
血中にブドウ糖が多いということは、ブドウ糖をエネルギーとして利用できていない状態です。
そのためブドウ糖の代わりに脂肪を分解することでエネルギーを補います。
脂肪が分解するとき、ケトン体と呼ばれる物質が生成されます。
この物質は酸性のため、血中に大量に存在すると、血液が酸性に傾きます。
これをケトアシドーシスと呼びます。
ケトアシドーシスでは、吐き気や腹痛などの胃腸障害が起きて、進行すると意識障害、昏睡に陥ることがあります。
非ケトン性高浸透圧性昏睡
血糖値が高くなると、尿の量が増え脱水が起きます。
脱水が起きると、血液が濃くなるためさらに高血糖を招きます。
高血糖を招くとさらに尿が増え脱水が進みます。
このように負のスパイラルが続くと、昏睡に陥り危険な状態になります。
脱水と高血糖による昏睡が起きるというわけです。
シックデイの対処
糖尿病以外の病気にかかった時の対処法をシックデイルールと呼びます。
シックデイルールをまとめました。
体を温めてしっかり休養を
体を休ませて免疫力をあげなければ治るものも治りません。
血糖値の測定
自己血糖測定により、自分の血糖値を把握しておく必要があります。
血糖値が高すぎる、低すぎる場合は、すぐに病院に行きましょう。
尿ケトン体の測定
ケトアシドーシスに早めに対応するために、尿ケトン体を測定しましょう。
脱水のチェック
日頃から自分の体重を把握しておけば、脱水の状態を把握することができます。
おしっこの色が濃いと脱水傾向にあるので注意しましょう。
糖尿病の薬は内服薬もインスリンも自己判断で量を調整ないこと
食事が摂れないからといって、自己判断で量を減らしたり、中止してしまうと血糖値が非常に高くなってしまうことがあります。
必ず 医師に相談しましょう。
低血糖の恐れがある場合、一般的には、低血糖を起こしやすいスルホニル尿素(SU)薬、速効型インスリン分泌促進(グリニド)薬、αグリコシダーゼ阻害(GI)薬、SGLT薬は中止、減量の処置がとられるでしょう。
また、乳酸アシドーシスという重篤な副作用があるビグアナイド(BG)薬も中止や減量が指示されるでしょう。
食事が摂れない場合は医師に相談を
食事が摂れない状態が続くと、血糖値が乱れやすいので医師に対応を相談しましょう。
十分に水分を摂取する
脱水予防のためにも十分に水分を摂取しましょう。
特に、電解質の摂取も重要です。
すぐ吐いたりするようなら、スプーン1杯の水分を5分おきに摂るなどの対応をとりましょう。
糖分を摂取する
口当たりの良いおかゆ、シチュー、果物、アイスクリーム、野菜スープ、味噌汁、ジュースで糖分を補いましょう。
1日3食である必要はありません。
食事が取れないなら間食や夜食を入れて少しずつを何度も摂りましょう。
普段からシックデイの時どうするか相談しておく
すぐに対応できるように、普段から、シックデイの対応をどうするか必ず確認しておきましょう。
あまり把握されていない方が多いように感じます。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
参考文献:糖尿病診療ガイドライン2016