定期的な歯の健診が重要。
糖尿病になると血中のブドウ糖の濃度が高まることで、体にさまざまな害(合併症)が起きます。
代表的なのが、腎臓(糖尿病性腎症)、目(糖尿病性網膜症)、神経(糖尿病性神経障害)です。
これら3つの害を合わせて糖尿病の3大合併症と呼びます。
それぞれ放置しておくと、透析、失明、壊疽(えそ)を引き起こします。
しかし、糖尿病の合併はこの3つだけではありません。
その代表的なものが歯周病です。
歯周病は6番目の合併症と呼ばれています。
この記事では、糖尿病による歯周病についてわかりやすくまとめました。
まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。
漫画~糖尿病と歯周病~
以上が漫画になります。
糖尿病は歯周病を引き起こし、歯周病は糖尿病を引き起こします。
もう少し詳しく知りたい方は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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歯周病とは?
そもそも歯周病とはなんでしょうか?
歯周病というのは、細菌によって歯の周りで炎症が起きている状態を言います。
歯磨きが不十分だと、細菌が歯と歯茎の間に細菌がたまり炎症を起こすのです。
その結果、口が臭くなったり、歯茎から出血が起きたり、歯がグラグラになったりします。
さらに進行すると、歯を支えている骨を溶かし、歯を抜く必要がでてきます。
日本では、歯を失う原因の第一位が、この歯周病になります。
第二位が、虫歯になります。
糖尿病になるとなぜ歯周病になるのか?
糖尿病になると歯周病になりやすいと言われています。
2型糖尿病の人は歯周病の発症率が健常人の2倍以上あるという報告があります。
1型糖尿病の人も歯周病になりやすいという報告があり、1型、2型にかかわらず糖尿病患者は歯周病になりやすいようです。
これはなぜでしょうか?
考えられる原因をまとめました。
免疫力の低下
血中のブドウ糖の濃度が高いと免疫細胞の機能が弱まります。
その結果、免疫力が下がり口の中で細菌が繁殖しやすくなり歯周病を引き起こします。
動脈硬化
糖尿病の進行が進むと、動脈硬化により血液の流れが悪くなります。
その結果、歯茎に栄養を送れなくなり細菌が繁殖し歯周病を引き起こします。
口の中の乾燥
糖尿病になると水分が尿として出ていきやすくなります。
その結果、唾液の量が減り、細菌が歯の中にとどまりやすくなってしまい歯周病を引き起こします。
もともとの生活習慣
糖尿病患者はもともと間食が多くカロリーを摂りやすい傾向にあります。
その結果、口の中が細菌にとって住み心地の良い場所となり、歯周病を引き起こします。
歯周病になると糖尿病になる?
糖尿病になると歯周病になると言われていますが、その逆、つまり歯周病、それも重度の歯周病になると糖尿病になるとも言われています。
これは、歯茎で繁殖した細菌が起こす炎症によってインスリン分泌能やインスリン抵抗性を悪化させるためと考えられています。
インスリン抵抗性というのは、インスリンがブドウ糖を細胞内にどの程度、取り込むかを意味する言葉です。
これが悪化すると、ブドウ糖が細胞内に入りにくくなり血中のブドウ糖の濃度が上昇し糖尿病を引き起こします。
歯周病を悪化させないために
糖尿病患者が歯周病を悪化させないためにはどうすればいいのでしょうか?
しっかり糖尿病の治療をうける
血糖値やヘモグロビンA1cの値が悪いと、歯周病が進行しやすいという報告があります。
そのため、歯周病だけでなくすべての合併症を予防するためにも糖尿病の治療をしっかり受けることが重要です。
運動療法、食事療法に取り組み、糖尿病の薬を処方されている場合は、飲み忘れなく服用しましょう。
歯の定期検診をうける
糖尿病の治療をしてくれる先生は、歯のケアまでしてくれない場合があります。
症状が出てくる前に、歯医者に行って定期的に検査を受けましょう。
歯周病予防の歯磨き粉
歯周病予防の歯磨き粉が売っているので、それを使いましょう。
食事はよくかんで
食事をするときは、よくかみましょう。かむことで唾液も増え細菌が口の中にとどまるのを防止してくれます。
間食を控える
間食をすると、細菌が住みやすい環境になってしまいます。
できるだけ間食は控えましょう。
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入れ歯が多いと短命?
糖尿病の3大合併症は、放置すると透析、失明、壊疽と絶対に引き起こしたくないものです。
そして、歯周病も放置すれば抜歯をして入れ歯を入れることになってしまいます。
入れ歯にしてしまえば、問題ないと思う人もいるかもしれませんが、自分の歯が多い人ほど、長生きできるという報告もあります。
やはり自分の歯を大事にすべきです。
糖尿病の治療にあたる医師も、糖尿病の薬をくれる薬剤師も、血糖値やヘモグロビンA1cについては気にするかもしれませんが、歯周病までは気にしていないのではないでしょうか?
だからこれは自分で気を付けていく必要があると思います。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうとざいました。