腎臓の機能が失われると透析をする必要がある。
透析は想像以上につらいもの。
この記事では、糖尿病と腎臓と透析の関係を簡単にわかりやすく説明します。
まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。
漫画~糖尿病と腎臓と透析~
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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腎臓の構造
まず腎臓は左右に一つずつあります。
背中側の腰あたりに位置しています。
ソラマメの種のような形をしていて、大きさはにぎりこぶしくらいです。
腎臓には、ネフロンとよばれる組織が100万個以上存在しています。
この一つ一つのネフロンに、細い血管が絡まった糸球体と呼ばれる組織があります。
簡単に言えば、腎臓は細い血管(毛細血管)が非常に多く集まっている場所ということです。
腎臓の機能
腎臓にはさまざま機能があります。
代表的なものは
- 血液をろ過し、老廃物を尿として外に排出する。
- 体内の塩分や水分を調節して不要なものは尿として排出する
- 血圧を調節する
- 血液を産生するホルモンを分泌する
などです。
ネフロンという場所に多くの血管が存在するおかげで老廃物をろ過したり、塩分、水分の調節ができるわけです。
腎臓の機能については以下の記事をご覧ください。

糖尿病と腎臓の関係
糖尿病になって、血管内のブドウ糖が多くなると、毛細血管がどんどん傷つけられてきます。
その代表的な場所が、腎臓です。
先ほども書いたように腎臓は細い血管の集まりなので、ブドウ糖の増加に伴い腎臓の血管が傷つけられます。
血管が傷つけられると、血液の流れが悪くなってきます。
すると体のさまざまな場所で生じる老廃物を排出できなくなってしまいます。
また、血管を流れる塩分や水分も調節できなくなってきます。
糖尿病によって引き起こされる腎臓の病気を糖尿病性腎症と言います。
また、ある病気によって引き起こされる病気を合併症と言います。
つまり糖尿病の合併症の一つがこの糖尿病性腎症です。
腎臓が悪くなるとどうなるか
腎臓の血管が痛んでくると、血流が悪くなり腎臓自体に栄養を運ぶこともできなくなるため腎臓のさまざまな機能が失われていきます。
その結果、体内に老廃物がたまってきてだるさ、吐き気、立ちくらみなどがでてきたりします。
水分を調節することが出来なくなるため、体がむくんできます。
血液を産生するホルモンを分泌できなくなるため貧血にもなります。
このような腎臓の機能が低下していくスピードは非常にゆっくりであるため、最初は自覚症状がほとんどありません。
気づいたときにはある程度進行してしまっています。
一度傷ついてしまった腎臓はもとには戻りません。
年をかさねるにつれて腎臓の機能は落ちていきます。(このような状態を慢性腎不全と言います)
腎臓と透析
腎臓の機能が著しく悪くなると、最終的に老廃物をまったく排泄できなくなってしまいます。
そうなると、体の中の老廃物を外に出すために透析を行う必要が出てきます。
透析は、管を腕に刺して体の血液を機械に通すことで、腎臓の代わりに機械が血液のろ過を行います。
この透析は、1回行うのに4時間ほどかかります。
この4時間の間、ずっと機械につながっていて、ベッドの上で過ごすことになります。
その透析を週に3回行う必要があります。
つまり透析ができる施設(病院)に週3回通う必要があるのです。
雨の日も、雪の日も、台風の日も、年末年始もお盆のときもです。
老廃物は絶えず体の中で作られるわけなので、融通がききません。
長期の旅行に行く場合は旅行先で透析を行います。
透析は全ての血液を抜いて機械に通し、体に戻すという作業です。
その作業は体に大変な負担を強いるため、透析後は非常にだるさがでてきます。
透析なんて絶対したくないですよね?
糖尿病と言えば透析!
僕の働く薬局の前の病院の先生も、できるだけ透析導入にはならないよう腎臓の機能低下には気をつけています。
他の多くの医師もそうだと思います。
(透析は患者さんの負担だけでなく、医療費も非常にかかってしまい日本経済の負担にもなってしまいます)
それでも日本透析医学会の調査によると、透析の原因となった疾患の第一位が糖尿病です。
参照:日本透析医学会
これは、糖尿病と言われた時、またその予備軍と言われた時に糖尿病がどういうことを引き起こしていくかをイメージできていないからではないでしょうか?
その結果、治療の開始が遅れる、または治療を行っても本人に危機感がなく治そうという気がないなどが考えられます。
僕たち薬剤師は、糖尿病の患者に薬を渡すとき、血糖値などの血液検査の結果を聞くことがあります。
そのとき患者さんの中に、笑いながら非常に悪い数値を答える方がいます。
こういう人たちは本当に危機感がないなーと思います。
僕たち薬剤師はなかなか患者さんに強い指導がしづらいので歯がゆい思いです。
糖尿病と言えば透析!!
このイメージが広まれば、糖尿病をほったらかしにする人は少なくなるのではないでしょうか?
透析をしたくないならしっかり治療を受けて糖尿病の進行を早めに食い止めましょう。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
参考文献:糖尿病診療ガイドライン2016