スルホニル尿素(SU)薬の一覧、作用機序、副作用についてわかりやすく説明します。
まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。
スルホニル尿素(SU)薬の漫画
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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スルホニル尿素(SU)薬の一覧
第一世代から第三世代まであります。
第一世代
- トルブタミド(商品名:ブタマイド、ヘキストラスチノン)
- クロルプロパミド(商品名:アベマイド)
- アセトヘキサミド(商品名:ジメリン)
- グリクロピラミド(商品名:デアメリンS)
第二世代
- グリベンクラミド(商品名:オイグルコン、ダオニール)
- グリクラジド(商品名:グリミクロン)
第三世代
- グリメピリド(商品名:アマリール)
現状は第一世代の使用はほとんどないと思います。
僕の経験では、第一世代の薬を飲んでる人を見たことありません。
一番使用量の多いのはグリメピリドです。
グリメピリドは、他のスルホニル尿素(SU)薬と比べて、インスリンを分泌させる量が弱いです。
しかし、インスリン抵抗性を改善させる力があるため、同等の効果があり、副作用もほか比べると少ないです。
作用機序
食事により血糖値があがると、ブドウ糖は膵臓のランゲルハンスβ細胞に発現しているグルコーストランスポーター(GLUT2)によりβ細胞の中に取り込まれ膵臓からインスリン分泌を促します。
血糖値が高い原因の一つに、この膵臓からのインスリン分泌力が弱い場合があります。
スルホニル尿素(SU)薬は、ブドウ糖に関係なくβ細胞に発現しているSU受容体に作用し、インスリン分泌を促します。
副作用
低血糖
膵臓からのインスリン分泌は1日中行われています。
インスリン分泌には、通常のインスリン分泌である基礎分泌と食事による血糖値の上昇に反応して分泌される追加分泌の2種類あります。
スルホニル(尿素)薬は、1日中作用するため、基礎分泌の量も追加分泌の量も増やすことになります。
そのため、食事を摂っていないときもインスリン分泌を促すため、低血糖が起きやすい薬です。
薬を代謝する力が弱い人、つまり肝臓や腎臓の機能が落ちている人や高齢者は低血糖が起きやすいので注意が必要です。
他の血糖降下薬との作用で低血糖が起きるリスクがあがります。
食事を摂る時間が不規則だったり、食事量がいつもより少なかったりすると低血糖になりやすいですし、アルコールも低血糖が起きる要因になるので注意が必要です。
すぐに低血糖に対応できるように、必ず糖分(ブドウ糖やジュースや砂糖)を携帯しましょう。
体重増加
インスリン分泌によってブドウ糖は肝臓や筋肉や脂肪組織に取り込まれます。
脂肪組織に取り込まれると中性脂肪となるためスルホニル尿素(SU)薬を服用することで、体重増加が起きることがあります。
また、低血糖があると強い空腹感を感じるため食事量が増えることも体重増加の原因です。
しっかり食事療法・運動療法を行わないと、体重増加が起きやすいです。
肥満の患者さんにはおすすめできません。
どうしてもスルホニル尿素(SU)薬を使用したいときは、グリメピリドがいいでしょう。
効かなくなる?
二次無効と言って、長期間スルホニル尿素(SU)薬を使用していると膵臓が疲弊してインスリン分泌量が弱まってくることがあります。
こうなると、自分の力でインスリンを分泌する力がなくなってしまいます。
二次無効にならないように早めに服用量を減らしたり、他の薬を併用したり、インスリン注射の導入をすべきです。
コメント
スルホニル尿素(SU)は、発売されてから何十年も経過しており、ジェネリックも発売されています。
そのため他の糖尿病の薬と比べると薬の値段(薬価)が安いです。
患者さんのお財布に優しい薬でしょう。
効果もすぐにでてくるので、ぜひ服用したいかもしれません。
しかし、低血糖や体重増加リスクがあること、長期間の使用で膵臓を疲弊させることがあることを念頭に入れておく必要があります。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。