糖尿病では、まず最初に食事療法、運動療法がおこなわれます。
この記事では、食事療法における適正エネルギーの計算、食事の注意点、食品の豆知識や調理の仕方、摂取エネルギーを抑えるための工夫などをまとめました。
まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。
この記事の内容
漫画~糖尿病の食事療法を簡単に漫画で説明
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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食事療法をはじめる前に知ってほしいこと
糖尿病における食事療法は、何か一つのものを制限したり、摂取を禁止する制限食ではありません。
どちらかというと、一つのものを摂りすぎることなく、あらゆるものをまんべんなく摂取する健康食になります。
適正エネルギーの設定
大事になってくるのは、エネルギーの取り過ぎを抑えることです。
エネルギーを取り過ぎると肥満になり、インスリン抵抗性が悪化し、血糖値があがることになります。
適正なエネルギーを取ることで肥満が解消され、インスリン抵抗性を改善していきましょう。
まず適正エネルギーの計算を行います。以下の式で計算しましょう。
最初の目標体重は、現体重の5%差し引いた値を目標体重とします。
身体活動量は日常生活の活動量によって変わります。
デスクワークが多い人なら25~30、
立ち仕事が多い人なら30~35、
重労働の人なら35以上
の数値になります。
最終的な目標体重はBMIが22になる体重です。
これを標準体重といいます。
BMIが22で一番死亡率が少なくなるといわれているためです。
BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)なのでBMIが22になる標準体重は以下の式で計算します。
標準体重をいきなり目指して急激な減量をすると、体調不良や、栄養不足を招きかねません。
そのため最初の目標体重は、現体重の5%を差し引いたものを目標体重としましょう。
食事の注意点
食事は1日3回規則正しく摂りましょう。
よく噛んで腹八分目に抑えます。
1日2食にすると、1回の食事で多くの食品を取ることになってしまうので食後の血糖値が上がってしまいます。
適正エネルギーを守るためにも間食も抑えることが必要です。
また寝る前の夜食も大敵です。
夜食を摂った後は、寝るだけなので、ブドウ糖が消費されません。
翌朝まで血糖値が高い状態が続くことになってしまいます。
夕食は寝る3時間前に済ませるように心がけましょう。
朝昼夕食の量を均等にしましょう。
これによって1回の食事で高血糖が起きるのを防ぐことができます。
外食をできるだけ控えましょう。
外食は一般的に摂取エネルギーが高くなってしまいます。
食品について
食事療法は運動療法と同じで継続が重要です。
そのため、食事はできるだけ患者の嗜好に合ったものを選び、楽しみながらやることが大事です。
野菜
野菜は毎食両手いっぱいの量をとることがお勧めです。
食物繊維
穀物由来の食物繊維をとることを心がけましょう。
1日20gの食物繊維の摂取が推奨されています。
食事を始めるときに先に食物繊維を食べてから、他の物を食べ始めると食後の血糖値の上昇を抑えることができます。
食物繊維をすべて食べ切ってから他の物を食べることが大事です。
果物
果物は適正なら糖尿病に有効です。
ただし、多く摂りすぎると体重が増えることになるので注意が必要です。
また果物ジュースは砂糖が入っていたりするので、果物を摂るようにしましょう。
炭水化物
炭水化物だけを制限しても効果があるのかは現時点では不明です。
炭水化物だけを制限し、他の食品でエネルギーを摂取するのことはおすすめしません。
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸の摂取が糖尿病によいとされています。
オリーブオイルなどを使用するとよいでしょう。
アルコール
適正なアルコールの摂取なら糖尿病に良い影響があります。
目安は1日アルコール20~25gが目安になります。
ただし、薬を飲んでる人は低血糖が起きやすかったり、ビグアナイド系の薬の場合は乳酸アシドーシスと呼ばれる副作用がでることがあります。
アルコールは適正量を守りましょう。
守れないようでしたら禁酒にすべきです。
またお酒に炭水化物が含有していることもあるので、エネルギーの取り過ぎに注意も必要です。
ビタミン、ミネラル、塩分
ビタミン、ミネラル、塩分については現段階で糖尿病との関係がよくわかっていないので適正な量を摂取するようにしましょう。
酢
酢の物は血糖値あげにくいことが知られています。
調理の工夫
油の摂取を少なくするために、揚げたり、炒めたりするよりは蒸したり、煮たほうが油の量が少なくなります。
一般的には、揚げる→炒める→煮る→蒸す→網焼き→ゆでるの順に油の量が減っていきます。ゆでてから炒めれば油の量が少なく済みます。
テフロン加工のフライパンを使えば油を使わずに済みます。
ただし、テフロン加工がはがれてくると使えなくなってしまいます。
摂取エネルギーを抑えるための工夫
歯を磨く
間食、夜食を控えるためにご飯を食べたらすぐに歯を磨いてしまいます。
食べてしまうと、歯を磨かなければならなくなって面倒なので間食、夜食を抑えることができます。
残飯は捨てる
残飯には手を出さない。
家族の残り物に手を出すのはやめておきましょう。
買い置きをしない
お菓子の買い置きをしない。
スーパーなので余分なものを買ってしまうと、特に食べたいわけでもないのに食べてしまいます。
低カロリー商品に代える
間食、夜食が我慢できないなら、せめてお菓子やお酒などを低カロリーのものに変える。
ゼロカロリーのビールがあります。
お皿やお茶碗を小さいものに変える
一度に盛り付けるご飯やおかずの量を減らすことができます。
丼物は控える
カレーライスや牛丼などの丼物はご飯の量が多くなりやすいのでできるだけ控えた方がいいでしょう。
棚の上など取り出すのに時間のかかる場所にお菓子を置く
目につくところに置いてあると、食べたくなってしまいます。
また取り出すのが面倒な場所に置いておけば、食べるのが面倒になります。
毎日体重計にのる
目標を忘れないためにも毎日体重計にのって挫折しないようにします。
家族に目標体重を伝え、毎日の体重を家族の見えるところに記録する
家族の監視の目があるため、努力が継続しやすくなります。
目標達成した時の、ご褒美を決める
ご褒美があると励みになりますね。
合併症が起きた時のことを想像する
もし失明したら・・・、もし透析が必要になったら・・・、もし足を切断しなけらばならなくなったら・・・、
合併症を想像すれば食べる気がなくなりますね。
糖尿病が完治した時のことを想像する
完治すれば、病院代、薬代を節約できます。
その浮いたお金を何に使いましょうか?
また完治すれば体型もスマートになっています。
かっこいいお父さん、お母さんになれますね!
管理栄養士に相談する
管理栄養士が食事療法について相談にのってくれます。
食事に関してのスペシャリストである管理栄養士から様々なアドバイスを受けましょう。
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まとめ
さまざまなことを書きましたが、一番重要なのは楽しみながら食事療法を行うことです。
食事療法は継続が大事なので、あれこれと我慢せずに、続けられる程度に控えていきましょう。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
参考文献:糖尿病診療ガイドライン2016