悩む薬剤師
『転職するか悩むなぁ・・・
メリット・デメリットはなんだろう?』
この疑問に答えます。
僕は調剤薬局の管理薬剤師を8年ほどやっています
転職は3回しました。
この記事では、薬剤師が転職したときのメリット・デメリットについて説明します。
そして、転職を悩む人に向けて、判断の基準を3つ紹介します。
薬剤師の転職のメリット
薬剤師が転職したときのメリットは以下のとおりです。
- 環境の改善
- 給料のアップ
- 人脈を広げる
- 知識を深める
それぞれ説明します。
環境の改善
働く環境が悪い会社は、それが当たり前になっていて、僕たちがどんなに訴えても簡単には改善されません。
- 長時間の残業
- 有給がとれない雰囲気
- 厳しいノルマ
- そりが合わない上司
- 働きにくいシフト
- 職場までの距離が遠い
こういった劣悪な環境を転職することで変えることができます。
- 長時間の残業⇒0の会社へ
- 有給がとれない⇒好きなときに有給がとれる
- 厳しいノルマ⇒ノルマあっても努力レベル
- そりが合わない上司⇒気の合う上司
- 働きにくいシフト⇒土日休み
- 職場までの距離が遠い⇒徒歩10分
といった感じです。
特に、人と合わない場合、そこから逃げ出すことができるのが大きなメリットです。
合わない同僚、上司、さらには会社の考え方に付き合わされることがなくなります。
そして、残業が多い、激務、人が足りないといった環境から抜け出すことができます。
さらに転職するとき、水曜は休みたい、土日は休みたいなど、希望するシフトで働くことが可能になります。
『そんな会社あるわけがない』
と言う人もいるかもしれません。
でも、薬剤師が働ける会社は山のようにあります。
転職サイト、薬キャリの公開求人数は、55510件です。
探せばありそうじゃないですか?
実際、管理薬剤師の僕が働いている職場は
- 有給がとりやすい
- 上司は優しい
- 残業月5時間~10時間
という感じです。
世の中の流れとして、ホワイトな会社が増えてきています。
とはいえ、自力で探すのは難しいので、転職サイトのコンサルタントに探してもらうのが最善の方法です。
給料のアップ
薬剤師の昇給はとても少ないです。
例えば、調剤薬局だと、昇給は月1000円から5000円が相場ではないでしょうか。
僕の知り合いに昇給が500円という人もいました。
同じ会社でずっと働いても、給料はあまりアップしません。
しかし、転職すれば、給料をあげることができます。
僕の経験では、転職することで年収100万以上あげることができました。
特に新卒の人の場合、5年、10年と同じ会社で働くよりも、転職してしまった方が一気に給料をアップさせることができます。
ただ、自力で給料の交渉をするのは難しいです。
転職するときは、マイナビなどの専門コンサルタントに給料の交渉をしてもらいましょう。
人脈を広げる
薬剤師は、大学生のころから狭い世界にいます。
社会にでると、さらに狭くなります。
同じ場所で、同じ人とずっと働くことになるわけですから。
さらに、調剤薬局で管理薬剤師になってしまうと、他の店舗にヘルプにも行けず、刺激のない日々が続きます。

しかし、転職すれば、新しい薬剤師、事務員に出会うことができます。
志の高い人や、一緒にいて楽しい人、さらに新しい恋人ができるかもしれません。
転職することで、人脈を広げることができるのがメリットです。
知識を深める
ずっと同じ場所で働いていると、
- ずっと同じ薬
- ずっと同じ医師
- ずっと同じやり方
で勤務することになります。
これでは、知識を深めることは難しいです。
転職すれば、扱う薬が異なり、薬の知識を深めることができます。
また、異なる医師の処方せんに触れることで、新たな疾患や、治療の勉強をすることができます。
転職することで知識を大幅に深めることができるわけです。
『転職しなくても、移動して違う店舗で働けばいい』
という方もいると思います。
確かにそうですね。
でも、転職して違う会社に入ることで、新しい業務のやり方、ノウハウなども学ぶことができます。
例えば、調剤過誤などのリスク管理、予製などの業務効率化などです。
転職することで、薬、医師、会社がすべて変わり、短時間で多くの事を学べるわけです。
薬剤師の転職のデメリット
薬剤師が転職したときのデメリットは以下のとおりです。
- ボーナスを逃す
- 疲れる
- 成長する機会を失う
- 転職に頼ってしまう
それぞれ説明します。
ボーナスを逃す
転職する時期によって、退職する会社でボーナスをもらい損ねます。
また転職する会社でも、初回のボーナスは、少なくなりやすいです。
このデメリットがあるので、
『ボーナスが出たらやめる』
という人もいます。
でも、この手段をとると、まわりから
『せこいやつだ』
と思われそうです。
なかなか堂々とやめれる人は多くないです。
このデメリットを解決する2つ方法があります。
1つは、転職サイトのコンサルタントにボーナス減ることが転職に踏み切れない理由であると相談してみることです。
すると、コンサルタントの腕にもよりますが、転職先から通常もらえないはずだった初回のボーナスがもらえるようになることがあります。
僕はこれで30万もらえたことがあります。
まれなケースだと思いますが、試す価値はあります。
もう一つは、転職祝い金を支給してくれる転職サイトを利用することです。
例えば、ジョブデポなら最大40万、ファゲットなら最大20万円が支給されます。
【登録はこちら】
⇒ジョブデポ薬剤師
⇒あなたにぴったりの求人をご紹介薬剤師転職サイト『ファゲット』
注意点としては、ジョブデポはあまりサポートが良くないことです。
そのため賢い使い方は、
そして、ジョブデポ以外で面接の約束をするとお祝い金がもらえません。
- 正社員の採用であること
- 月の途中入社の場合は入職月を含まず、翌月からのカウントして90日後の翌月10日まで勤務していること
- 他の転職サイトで紹介された求人でも可能
- ただし面接済だったり、面接日が決まっていないこと
がジョブデポで転職祝い金をもらう条件となります。
ちなみにファゲットでは、転職祝い金は、勤務を初めて3ヶ月後と6ヶ月後に支給されます。支給されるときに、辞めていないことが条件になります。
疲れる
転職することで、
- やり方
- 人
- 場所
が一気に変化します。
そして、覚えることもたくさんあるので、疲労します。
前の職場で働いてきた期間が長いほど、体が覚えてきたことを変えなきゃいけないので、余計疲れます。
会社によっては、歓迎会をやってくれます。
楽しいですが、少し疲れます。
やめる会社では、送別会をやってくれます。
ありがたいですが、少し疲れます。
転職は疲れるとよく言います。
疲れるのを嫌がって、いつまでも動き出さない人もいます。
疲れると言っても最初の数か月だけのことです。
これを乗り切ってしまえば、あとは体が慣れるので踏んばりましょう。
成長する機会を失う
転職する理由が、
- 人間関係が嫌
- 上司と合わない
- ノルマがきつい
こういったことだと、自分が成長する機会を失います。
- 人間関係がよくなるように努力したのか?
- 上司としっかり話し合ったか?
- ノルマを達成するために思考したか?
努力をせず、転職をくりかえすと、自分はいつまでたっても、未熟なままになってしまいます。
今の苦境を少しでもよくするための本を紹介します。
スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』です。
僕の考えをガラリと変えてくれました。
全人類に読んでほしい本です。
転職に頼ってしまう
薬剤師は、今のところ、どこでも働くことができます。
調剤薬局なら、ほぼ100%採用が決まるくらい、人手が不足しています。
転職するのは簡単です。
しかし、これを繰り返していると、
『なにか嫌なことがあれば転職してしまえばいい』
という考えになりがちです。
こうなってしまうと、
- 根気がなくなる
- まわりの評価が落ちる
- 最終的に働く場所がなくなる
といった感じで、いずれは逃げ道がなくなります。
僕の知り合いでもこういう人がいました。
2.3年おきに転職を繰り返す人です。
嫌なこと、納得しないこと、辛いことが起きるとすぐに転職してしまうのです。
もう次の転職先がないくらいに薬局を渡り歩いています。
案の定、友人も少なく、恋人もいません。
安易に転職をすると、転職に頼ってしまうことがデメリットになります。
転職すべきかどうか?
メリット・デメリットをふまえ、転職するかどうかの基準も説明します。
考えることは以下の3つです。
- 健康であるか?
- スキルを高めることができるか?
- 時間の余裕があるか?
それぞれ説明します。
ⅰ.健康であるか?
- うつ
- 不眠
- 動悸
今いる職場で体調が悪くなったのであれば、一刻も早く転職すべきです。
将来、年金はもらえなくなります。
もらえても最低限の生活ができるレベルです。
そのため、僕たちは生きている限り、働き続ける必要があります。
そして、日本は、人手が足りていません。
この傾向は今後も続きます。(毎年50万人以上不足すると予測されています。)
つまり、年をとっても仕事はあるわけです。
そのとき、何が大切になるかというと、自分が健康であることです。
健康でなければ、仕事をすることができません。
今の職場が健康を害するものであれば、すぐに転職してください。
長い目で見てください。
60、70才を超えても健康でいられるようにしましょう。
ⅱ.スキルを高めることができるか?
健康に問題がなければ、『今の職場で自分のスキルを高めることができるか?』を考えます。
- 薬の勉強ができる
- リーダーシップ力が鍛えられる
- 経営の勉強ができる
今の職場で、自分のスキルを高めることができるなら、転職の必要はありません。
でも、いつまでも同じところに居続けてしまって、なにも身に付けることがない、たとえあっても、効率が悪いなどのときは転職の必要があります。
薬剤師は今を維持しようという考えの人が多いです。
これでは、人生は少しずつハードモードになっていきます。
なぜなら、世の中には資格を持っていなくても、がんばっている人が多いからです。
いつまでも同じ位置にいたら、周りに追い越されます。
うさぎと亀みたいなものでしょうか?
自分はどこで働けば、効率よくスキルを伸ばせるかを考えましょう。
ⅲ.時間の余裕があるか?
- 激務
- 残業
- 夜は疲れて寝るだけ
- 有給とれない
自分の時間が確保できないのなら転職すべきです。
時間の余裕はとても大切です。
時間があれば、
- 人にやさしくなれる
- 家族と一緒にすごせる
- 他のスキルを伸ばせる
いいことがたくさんあります。
何を隠そう、この記事は仕事中に書いています。
時間に余裕があるから、他の世界に目を向けることもできるわけです。
激務ではなく、無理のない範囲で仕事ができる職場を選びましょう。
- 健康であるか?
- スキルを高めることができるか?
- 時間の余裕があるか?
この3つの基準は、以下のように考えて下さい。
まず、『ⅰ.健康であるか?』
これが、5段階評価で、1または2なら転職すべきです。
この場合は、ⅱとⅲがどんなに良くても関係ありません。
一方、ⅰの評価が3、4、5なら
『ⅱ.スキルを高めることができるか?』
『ⅲ.時間の余裕があるか?』
の基準を考えます。
この2つの基準も5段階評価で考えます。
2つの値の合計が6未満であったとき、転職を考えるべきでしょう。
この基準で考えたとき、僕はまだ転職はしません。
僕の場合、
ⅰ(健康)⇒3、ⅱ(スキル)⇒2、ⅲ(時間)⇒5
といった感じになったからです。
空いた時間でブログとプログラミングのスキルを伸ばせています。
時間の余裕がなくなれば、転職しようと考えています。
てことで、今回は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。