この記事の内容
はじめに
今回はステロイド塗り薬です。
ステロイドに関しては、いろいろと勉強すべき知識があります。
その中でも本記事では、ステロイド塗り薬の正しい使い方についてまとめました。
簡単に理解できるように下手ですが漫画もつけてあります。
ぜひご覧ください。
漫画~ステロイド塗り薬の誤った使い方~
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方 は、以下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
よければご覧ください。
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ステロイドの記事まとめ
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ステロイド塗り薬の塗り方
まず手をよく洗って水分をよく拭き取りましょう。
手についた細菌が患部に入るのを防ぐためです。
そしてステロイド塗り薬を指の腹に出します。
患部が狭い場合は、そのまま指の腹で塗ってください。
患部が広い場合は、手のひらで。
眼の周りや耳などの細かいところは綿棒を使うとよいでしょう。
塗り方は「塗布(とふ)」です。
「塗擦(とさつ)」ではありません。
つまり、すりこまないようにします。
のせて広げていくような感覚です。
すりこむと皮膚が傷ついてしまいます。
鎮痛消炎剤は効果を高めるためにすりこむ場合があります。
患部が広い場合は、患部の中央とその周りにステロイド塗り薬をチョンチョンと置いて、そのあとにまんべんなく塗っていきます。
塗る場所は患部だけで大丈夫です。
正常な皮膚にまで塗る必要はありません。
塗り終わった後も手を洗いましょう。
ステロイド塗り薬が他の場所に付いてしまうことを防ぐためです。
ステロイド塗り薬の塗る量
有名なのがFTU(finger tip unitフィンガーチップユニット)です。
FTUというのは塗り薬をどのくらいの面積に塗るかを示す単位です。
1FTUというのが、0.5gの量で手のひら2枚分の面積に塗ることを表します。
2FTUなら1gの量を手のひら4枚分の面積に塗る
4FTUなら2gの量を手のひら8枚分の面積に塗る
ということです。
では0.5gをどうやって測るかが問題です。
これは、チューブから薬を絞り出すとき、人差し指の第一関節から指先までのせたときの量がだいたい0.5gと言われています。
しかし、チューブの口の大きさによって出る量が違います。
そのためこの法則が使えるのは、これは25gチューブや50gチューブなどの比較的大きいチューブです。
5gチューブや10gチューブでは人差し指の第一関節から指先までのせた量はだいたい0.25gです。
そのため1FTU塗るのであれば、人差し指の第一関節から指先まで2回出せばいいことになります。(人差し指の第二関節から指先まででもいいでしょう)
ローションの場合は、1円玉の大きさを手のひらにのせた量が1FTUになります。
ただし、FTUの考え方はあくまで目安です。
塗り薬によって多少のばらつきがあります。
軟膏チューブから第一関節まで出してみた
実際に、軟膏チューブから第一関節まで出して、何グラムになるか実験してみました。
期限切れのマイザー軟膏使ってみることにしました。
5gチューブです。
キャップをとって0あわせしました。
第一関節まで軟膏を出しました。
またマイザー軟膏の重さを測ったら0.19gしか減っていませんでした。
次はヒルドイドソフト軟膏です。
これは25gチューブです。
キャップをとって0合わせしました。
第一関節まで軟膏を出しました。
また重さを測ったら0.42g減っていました。
このように5gチューブと25gチューブではチューブの口の大きさが違うので出る量が倍くらい違うのです。
塗り薬の適正な量の目安として、ティッシュが1枚はりつくくらいの量ととらえてもいいです。
ステロイド塗り薬の塗る時間帯
ステロイド塗り薬を塗る時間帯はお風呂上りがベストです。
患部が一番清潔な時間帯だからです。
また皮膚が柔らかい時間帯でもあるため薬の吸収が良くなります。
お風呂上り10分以内に塗ると良いでしょう。
ステロイド塗り薬の塗る順番
ステロイドは強さによって
- ストロンゲストstrongest
- ベリーストロングvery strong
- ストロングstrong
- メディウムmedium
- ウィークweak
の5つに分けられます。
複数ステロイド塗り薬を使用する場合
弱いステロイド塗り薬から使用しましょう。
そうすることで強い塗り薬が不必要な場所に付くことを防ぐことができるからです。
2つ目のステロイド塗り薬を使う前に手を洗う必要もなくなります。
保湿剤とステロイド塗り薬を使用する場合
保湿剤から使用します。
これも、ステロイド塗り薬が不必要な場所に付くことを防げるからです。
重ね塗りした時ステロイド塗り薬の効果が弱くなるんじゃないか?
という疑問を持たれる方もいますが、そんなことはないので安心してください。
ステロイド塗り薬はよくなるまでしっかり続ける
症状が少し良くなっただけですぐに使用を中断したり、使用回数を減らしてしまう人がいます。
でも完全によくなっていない状態で自己判断で使う頻度を変えてしまうと、また症状が出始めることがあります。
そうなると、またステロイド塗り薬を使わなくてはならず、結局使用期間が延びてしまいます。
ステロイド塗り薬はしっかりよくなるまで使い続けてください。
使用中断、減量は医師に判断してもらいます。
ステロイド塗り薬の期限
ステロイド塗り薬のチューブには期限がかかれています。
しかし、この期限は未開封だった場合の期限です。
開封してしまったら中は汚染されてしまいます。
開封後の期限は明確に言うことはできません。
塗り薬の
- 色が変わった
- 軟らかさが変わった
- 油がういている
などあれば使用は控えましょう。
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薬剤師の思い
ただの塗り薬といえども、その使い方は奥が深いです。
薬局でなかなか詳しく患者さんに塗り方の説明の指導はできません。
説明しようとすると
「はいはいはいはい、わかってるわかってるー」
とか言われてちゃんと聞いてくれない人もいます。
この記事を読んだ人が、正しくステロイド塗り薬をつかっていただけると幸いです。
ちなみにステロイドに関する本は、以下の2冊があります。
知識のない人で読みやすくて、情報量も豊富です。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
参考文献:日本皮膚科学会