プレドニン(ステロイド飲み薬)の副作用を添付文書で調べて難しい言葉を解説

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こんにちは、福井県福井市でホームページ制作をしている@じょうです。

このページでは、僕が調剤薬局で薬剤師をやっていたときに調べたことをまとめております。

どうぞ皆様の学習にお役立てください。

ステロイド飲み薬の副作用は非常に多い。
ただ副作用を怖がって自己判断で減量したり中断したりしないこと。

ステロイドは主に抗炎症作用や免疫抑制作用があります。

代表的なステロイド飲み薬にプレドニン(プレドニゾロン)があります。
この記事ではプレドニンの副作用をわかりやすく説明します。

プレドニンの添付文書を参考にしました。
添付文書上の難しい言葉の意味もわかりやすく説明してあります。

ご覧ください。

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免疫力の低下による副作用


ステロイドは免疫力を低下させます。

そのため、感染症にかかりやすくなったり、かかっている感染症を悪化させることがあります。
日和見感染の可能性もあります。

発熱や疲労感がでたり、創傷治癒障害といって傷が治りにくくなったりします。

アレルギーによる副作用

発疹

プレドニンに対するアレルギーです。
薬があわないと発疹がでます。

ステロイドというのはもともと体の中で作られるものです。
そのためアナフィラキシーショックが起こるほどのアレルギーではありません。
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ホルモン関係の副作用

月経異常

プレドニンが性ホルモンに似ているため月経に影響を与えます。
症状としては軽く、ステロイドの減量によって改善します。

クッシング症候群様症状

クッシング症候群とは副腎皮質で作られる副腎皮質ホルモン(ステロイド)が過剰に分泌されることで起きる病気のこと。

つまりクッシング症候群様症状とは、クッシング症候群のような症状が出るということ

これは副腎皮質で副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されているのではなく、体の外からステロイド飲み薬を服用することで起きているというわけです。

ステロイド飲み薬の服用によって起きる症状なので、ステロイド飲み薬の副作用=クッシング症候群様症状とも考えられます。

続発性副腎皮質機能不全

続発性とはある病気が元になって起きるということ。

そのため続発性副腎皮質機能不全とは、副腎自体に問題があるわけではなく、他の部位の問題で副腎皮質の機能が低下しているということです。

他の部位というのは、視床下部や下垂体 になります。

視床下部からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌され下垂体 を刺激します。
下垂体 からACTH(副腎皮質刺激ホルモン) が分泌され副腎皮質を刺激します。

その結果、副腎皮質は機能を発揮します。

ステロイドは視床下部、下垂体にブレーキをかける作用があります。
すると、副腎皮質は機能を発揮することができません。

これが続発性副腎皮質機能不全です。

糖尿病

ステロイドは

  • 肝臓での糖新生を促進する
  • インスリンの分泌能を低下させる

といった作用があります。

この結果、糖尿病を引き起こすことがあります。

糖尿病では口渇の症状が出ることがあります。

精子数およびその運動性の増減

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消化器関係の副作用

消化管潰瘍、消化管穿孔(せんこう)、消化管出血

ステロイドは

  • 胃粘膜を守る働きがあるプロスタグランジンを減少させる
  • 胃酸の分泌を促進

といった作用があります。

その結果、消化管が傷つけられます。

傷つけられると、嘔吐・悪心 胃痛 胸やけ、食欲不振が起きます。

腸管のう胞様気腫症

腸管に空気が入り込み膨らんで起きる症状を言います。

既に書いたようにステロイドは胃酸を分泌し、胃粘膜を保護する成分を減少させるので、腸管が傷つけられます。

その結果、空気が入り込みます。

下痢や腹部膨満感などの症状が起きることがあります。

呼吸器関係の副作用

縦隔気腫

胸のあたりの縦隔と呼ばれる場所に空気がたまった状態をいいます。

膵臓の副作用

膵炎

膵炎を引き起こすことがありますが、原因不明です。

精神関係の副作用


ステロイドが精神症状を引き起こすことがあります。

1日40mgを超えてくると起きる可能性が増えてきます。

  • 不眠
  • うつ状態
  • 多幸症(現実とは関係なく、気分が病的なほどに高揚する状態)
  • 易刺激性(いしげきせい:些細なことで激怒する状態)
  • 頭痛
  • めまい
  • けいれん

などの精神変調がでることがあります。

骨・骨格関係の副作用

骨粗しょう症

ステロイドは

  • 骨吸収の促進
  • 腸管からのカルシウムの吸収を抑制

といった作用があるため骨粗しょう症を引き起こすことがあります。

骨頭無菌性壊死

大腿骨の上部の骨頭と呼ばれる部分は骨盤にはまり込んでいます。

この部分は血管が少ないため詰まってしまうと栄養が遅れなくなり壊死することがあります。

ステロイドは脂質の代謝異常を引き起こすことがあるので、血管に脂肪が多くなり塊ができて詰まることがあります。

この詰まりが骨頭の部分で起きると壊死が起きてしまいます。

壊死が起きると人工関節に変えなければいけなくなってしまいます。

上腕骨も骨頭と呼ばれる部分が肩甲骨にはまっており、この部分でも壊死を起こすことがあります。

(そのほか膝でも起こることがあります。)

ミオパチー

ミオパチーというのは筋肉の病気のことです。

ステロイドの服用によって筋肉した委縮した結果、筋力が低下することがあります。手足でも足に起こりやすく、また体に近い部分に起こりやすいです。

そのため、立ち上がりにくい、階段の上り下りが難しいなどの症状がでます。

発育不全

子供のステロイドの服用によって骨の形成が邪魔され発育不全を引き起こすこともあります。

身長が伸びなくなってしまいます。

筋肉痛、関節痛

脂質関係の副作用


ステロイドは

  • 脂質の代謝異常によってコレステロールや中性脂肪が増加する
  • 食欲を増進する
  • 脂肪細胞を大きくする

といった作用があります。

その結果、以下の副作用を引き起こします。

体重増加

体重が増えてしまいます。

中心性肥満

手足が細く体幹が太くなります。

満月様顔貌(ムーンフェイス)

中心性肥満の一種です。

顔が満月のように膨れ上がります。

病気としてはなにも問題ありませんが、見た目の問題が大きいです。

小さい脂肪細胞が多い顔が膨れてムーンフェイスが起こります。

野牛肩(やぎゅうかた、バッファローハンプ)

脂肪が肩に蓄積することで引き起こされます。

脂肪肝

脂質の代謝異常によって脂肪が肝臓に付いた状態です。

心筋梗塞、脳梗塞、動脈瘤

動脈硬化の促進によって心筋梗塞や脳梗塞や動脈瘤が引き起こされるおされがあります。

硬膜外脂肪腫

硬膜の外に脂肪が溜まり脊髄を圧迫する病気です。

タンパク質関係の副作用

窒素負平衡

摂取する窒素量より排泄する窒素量が多くなる状態です。

タンパク質の中に窒素が含まれています。

窒素不平衡だと体からタンパク質が少なくなり筋力が衰えていっていることを意味します。

ステロイドはタンパク質を分解する作用があるためこれが引き起こされます。

体液・電解質関係の副作用


ステロイドは

  • カリウムを排泄
  • ナトリウムをためる

という作用があります。

ナトリウムがたまるとそれに伴い水分も体内にたまります。

その結果、

  • 浮腫
  • 高血圧
  • 低カリウム性アルカローシス

が起きます。

低カリウム性アルカローシスとは、カリウムが少なくなった結果、体がアルカリ性に傾くこと

眼の副作用

緑内障

ステロイドは

  • 房水の排出障害

といった作用があります。

その結果、眼圧が上昇し緑内障を引き起こします。

房水とは眼球の中に入っている体液のことで、目の形を維持し栄養補給を行っている

頭痛を感じることもあります。

後のう白内障

ステロイドの服用によって白内障が起きることがあります。

後嚢(こうのう)白内障と言って水晶体(レンズ)の内側がくもります。

・中心性漿液性脈絡網膜症

ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょうと読みます。

光や色を感じる視神経がある網膜の一部がはがれて視力が低下したり物がゆがんで見えたりします。

多発性後極部網膜色素上皮症

中心性漿液性脈絡網膜症が進行して網膜剥離が広がった状態を言います

網膜障害、眼球突出

血液関係の副作用

血栓症

血栓症とは、血管内に血の塊が出来て血流を傷害すること

ステロイドの服用によって血液凝固因子が増加することで引き起こされることがあります。

白血球過多

皮膚関係の副作用


ステロイド飲み薬は全身の血管を回るため皮膚に届けば皮膚に副作用が出てきます。

その副作用はステロイド塗り薬の副作用と似ています。

具体的には、

  • 皮膚が薄くなる
  • 線条(皮膚が薄くなり、体内で脂肪が増えることで皮膚が割れて線条という線が皮膚に入る)
  • 搔痒(そうよう)
  • 多毛
  • ざ瘡(ざそう:にきびのこと)
  • 皮下溢血(ひかいっけつ:皮下出血のこと)
  • 紫斑(皮下出血によってできるあざ)
  • 顔面紅潮
  • 色素沈着
  • 脱毛(皮膚委縮により毛が弱る)
  • 発汗異常
  • 脂肪織炎(皮下の脂肪に炎症が起きる)

などです。

その他の副作用

  • ステロイド腎症
  • 尿路結石
  • アキレス腱断裂

コメント


以上、ステロイド飲み薬の副作用をまとめてみました。

副作用は非常に多くて服用が怖くなってしまうかもしれません。

しかしだからと言って医師や薬剤師の指示がない状態で服用をやめてはいけません。

いきなり量を減らしたり服用をやめると反跳現象や離脱症候群といったものを起こし危険です。

ステロイドを服用し異常を感じたら、必ず医師や薬剤師に伝えましょう。


ちなみにステロイドに関する本は、以下の2冊があります。
知識のない人で読みやすくて、情報量も豊富です。

以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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