スルホニル尿素(SU)薬
ビグアナイド(BG)薬
αグルコシダーゼ阻害(αGI)薬
チアゾリジン(TZ)薬
速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)
DPP4阻害薬
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害薬
などである
食事療法や運動療法を2,3カ月行っても血糖値の改善が見られない場合は、血糖値を下げるための薬物療法の開始を検討します。
この記事では、インスリン注射薬以外の糖尿病の薬について薬品名、作用機序、副作用を簡単にまとめました。
理解しやすいようにイラストもつけてあります。
参考にしてください。
この記事の内容
スルホニル尿素(SU)薬
薬品名
- グリメピリド(商品名:アマリール)
- グリベンクラミド(商品名:オイグルコン、ダオニール)
- グリクラジド(商品名:グリミクロン)
作用機序
膵臓のランゲルハンス島のβ(ベータ)細胞と呼ばれる場所に作用し、インスリン分泌を促します。
副作用
効果が大きい分、低血糖を起こしやすい薬です。
ビグアナイド(BG)薬
薬品名
- メトホルミン(商品名:メトグルコ)
作用機序
①筋肉や脂肪細胞にブドウ糖を取り込ませやすくさせます(インスリン抵抗性改善作用)
②肝臓で糖が作られるのを抑制します。(糖新生抑制作用)
③腸からブドウ糖が吸収されるのを抑制します。(糖吸収抑制)
副作用
副作用として乳酸アシドーシスと呼ばれる重大なものがあります。
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αグルコシダーゼ阻害(αGI)薬
薬品名
- アカルボース(商品名:グルコバイ)
- ボグリボース(商品名:ベイスン)
- ミグリトール(商品名:セイブル)
作用機序
ブドウ糖を吸収するためには、炭水化物を分解し、ブドウ糖にする必要があります。
このときに働くのがαグルコシダーゼです。
αグルコシダーゼ阻害薬は、このαグルコシダーゼを阻害することでブドウ糖の吸収を遅らせる作用があります。
副作用
おなら、下痢などがあり、まれに肝臓に障害を起こすこともあります。
チアゾリジン(TZ)薬
薬品名
- ピオグリタゾン(商品名:アクトス)
作用機序
肥大した脂肪細胞は筋肉や肝臓に対し、ブドウ糖の取り込みを悪くさせる物質を分泌します。
この薬は、肥大した脂肪細胞を小さくすることで、筋肉や肝臓にブドウ糖を取り込ませやすくします(インスリン抵抗性改善作用)。
副作用
浮腫(むくみのこと)があります。
速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)
薬品名
- ナテグリニド(商品名:スターシス、ファスティック)
- ミチグリニド(商品名:グルファスト)
- レパグリニド(商品名:シュアポスト)
作用機序
スルホニル尿素(SU)薬と同じで、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞と呼ばれるところに作用してブドウ糖を下げます。
スルホニル尿素(SU)薬との違いは、効果発現までの時間が速く、効果が切れるのも速いことです。
副作用
効果が切れるのが速いため、SU薬より低血糖を起こしにくいです。
DPP4阻害薬
薬品名
- シタグリプチン(商品名:グラクティブ、ジャヌビア)
- ビルダグリプチン(商品名:エクア)
- アログリプチン(商品名:ネシーナ)
- リナグリプチン(商品名:トラゼンタ)
- テネリグリプチン(商品名:テネリア)
- アナグリプチン(商品名:スイニー)
作用機序
食事で血糖値が上昇したとき、消化管ホルモン(GLP-1、GIP)がインスリン分泌を促すことにより血糖値が下がります。
この消化管ホルモンを分解するのが、DPP-4です。
DPP-4阻害薬は、DPP-4を阻害することで、消化管ホルモンの作用を促進し、インスリン分泌を促します。
副作用
安全性が高く、低血糖の頻度も非常に少ない。
体重の増加も起きにくい。
GLP-1受容体作動薬
薬品名
- デュラグルチド(商品名:トリルシティ)
- リラグルチド(商品名:ビクトーザ)
- エキセナチド(商品名:ビデュリオン、バイエッタ)
- リキシセナチド(商品名:リキスミア)
作用機序
消化管ホルモンのGLP-1は受容体作用することでインスリン(血糖値を下げるホルモン)分泌を促し、グルカゴン(血糖値をあげるホルモン)分泌を抑制します。
GLP-1受容体作動薬は、GLP-1の代わりとなってGLP-1受容体に作用します。
副作用
吐き気や嘔吐などの胃腸障害があります。
SGLT2阻害薬
薬品名
- イプラグリフロジン(商品名:スーグラ)
- ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)
- ルセオグリフロジン(商品名:ルセフィ)
- トホグリフロジン(商品名:デベルザ、アプルウェイ)
- カナグリフロジン(商品名:カナグル)
- エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)
作用機序
尿管のSGLTと呼ばれる物質が、ブドウ糖を再吸収(体に取り組むこと)するのを抑制し、尿として排出する作用があります。
副作用
頻尿、口渇、脱水、尿路感染症などの副作用があります。
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以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
参考文献:糖尿病診療ガイドライン2016