薬剤師
『調剤薬局に転職したいなぁ~ 転職するときになにか注意点あるかな?』
僕は現在、地方の調剤薬局で管理薬剤師をやらせてもらっています。薬局の周りはなんにもなく、とてものんびりしたいい所です。
これまで、僕は転職を3回経験しました。つまり4つの会社で勤務したことになります。いずれも調剤薬局です。この記事では僕が勤務した4つの会社を店舗数の多い順にA>B>C>D社として表現します。
- A社:大手調剤薬局チェーン
- B社:地方では名の知れた比較的大きな調剤薬局チェーン
- C社:地方で何県かに展開している調剤薬局チェーン
- D社:店舗数が5店舗くらいの小さい調剤薬局
それぞれの会社にはいいところもあれば、そうでないところもありました。
この記事では、僕が経験した3回の転職とそれぞれの調剤薬局での経験に基づいて、調薬剤師が調剤薬局に転職する際の注意点17個をまとめました。(特に最後の2つの注意点はあまり遭遇しない出来事をもとに書きました)
調剤薬局への転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
この記事の内容
- 注意点1.何分前の出勤か?
- 注意点2.薬剤師と事務員の仕事内容は?
- 注意点3.個人個人の目標設定があるか?
- 注意点4.休みのルールは?
- 注意点5.研修制度はあるか?その中身は?
- 注意点6.法令遵守しているか?
- 注意点7.実際に働く店舗の雰囲気は?
- 注意点8.実際に働く店舗前の病院の雰囲気
- 注意点9.どんな機器が導入されているか?
- 注意点10.給料・手当・補助はどれくらいあるか?
- 注意点11.転職サイトへの登録
- 注意点12.転職サイトは複数登録すべき
- 注意点13.自分でもリサーチを
- 注意点14.条件をしっかり考えておく
- 注意点15.聞きにくいこと・要望はエージェント経由で
- 注意点16.○○に関連した会社ではないか?
- 注意点17.勝手にやめない
- コメント
注意点1.何分前の出勤か?

C社
30分前に来てね

勤務が始まる時間の何分前に薬局に来る必要があるか確認しましょう。
会社によって随分と差があります。この違いは僕は大きいと思います。10分の違いがあったら1週間で1時間くらいの差が付いてくるからです。
C社のときは、30分前に来てくださいと言われてびっくりしました。勤務開始時間の30分前に出勤して掃除をしなければいけないのです。また当たり前ですが、この30分に残業手当はつきませんでした。
A社:10分前
B社:5分前
C社:30分前
D社:5分前

B社は5分前の出勤でOKです!
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注意点2.薬剤師と事務員の仕事内容は?


会社によって薬剤師と事務員の仕事内容は大幅に異なります。事務員の協力がどこまでもらえるかで業務の大変さが違います。薬剤師と事務員の仕事内容をしっかりチェックしておくべきでしょう。
C社は事務員が何でもやってくれました。処方入力だけでなく、調剤や一包化などを調剤補助としてやっていました。さらに薬の発注や掃除もやってくれたので薬剤師の業務は投薬がメインとなっていました。。
ABD社の事務員のメインの仕事は、処方入力でした。事務員の仕事は、処方入力がメインで調剤補助や在庫管理をしないケースの方が多いと思います。

注意点3.個人個人の目標設定があるか?


大きい会社ほど個人の目標を設定させられます。目標を達成すれば、ボーナスや昇給に反映されます。ただ、がんばって目標を達成したところでボーナスや昇給は微増です・・・。ABC社はやはり個人の目標がありました。目標設定やら、上司との面談が面倒です。
でもD社は全くありませんでした。小さい会社では、ないことの方が多いです。

注意点4.休みのルールは?


会社によって休みのルールが異なる場合があります。そのルールの中で、一番衝撃だったのは、完全週休二日制です。入社してから知ったのですが、C社は週休二日制ではなく、完全週休二日制を取り入れていました。
この違い知っていますか?
僕は知りませんでした。
週休二日制というのは、一般の会社が取り入れているものです。つまり祝日が月曜日にあったときその週は休みが他に2日あります。(祝日がある週は休みが増える)
しかし完全週休二日制は違います。
祝日で月曜日が休みのとき、他の休みは1日しかもらえないのです。つまり祝日があろうがなかろうが休めるのは週に二日なのです。
これが完全週休二日制です。
この制度を聞いた時、信じられなくて頭が真っ白になりました。

注意点5.研修制度はあるか?その中身は?


大きい会社ほど研修制度が整っています。
僕が新卒として就職したA社も研修制度が整っていました。入社して最初の2週間は新入社員全員が東京に集まって研修を行いました。マナー研修、言葉遣い、電話応対、メールの書き方、法令順守などなど社会人として知っておかなければいけない常識をここで知ることが出来ました。
店舗に配属された後も、上司や先輩薬剤師や事務員からの研修をしっかりうけることができました。
このことからも経験が浅いと感じるようであれば大手調剤薬局チェーンを選ぶべきでしょう。
ただ注意すべきなのが、会社によって新入社員に対してだけ研修制度が整っていることがあることです。
中途採用に対しては研修制度がない場合もあるので確認しましょう。

注意点6.法令遵守しているか?


転職する前に、法令を遵守する意識が高いかをチェックしておくべきでしょう。
会社によって法令遵守に対する意識が低い会社があるからです。株式に上場するほどの大きい会社であれば、さまざまなルールに従う必要があります。そのため、一般的には大きい会社ほど意識が高く小さい会社ほど意識が低いです。
具体的には
- 薬歴未記載はないか
- 事務員に投薬させていないか
- 管理薬剤師が他の店舗で勤務していないか
などをしっかり確認すべきです。
D社は薬歴がかなりいい加減でした。ほとんど「DO処方」「変更有」ぐらいしか書いてなくて、SやAは空白というのもありました。

注意点7.実際に働く店舗の雰囲気は?


実際に働く予定の店舗を見学すべきです。
そして、見学時間は一番混雑している時間帯がいいでしょう。
忙しい時こそ、店舗の雰囲気がわかります。連携が取れている薬局だと、薬剤師間の声かけが多いですし、事務員と薬剤師間の声かけもあるようならお互いの協力体制がしっかり整っていることがうかがえます。
そして勘違いしてほしくないのが、面接をしてくれた人とは一緒に働かないということです。
面接してくれる人は、なんとか自分の薬局で働いてほしいと思っているので、かなり愛想がいいはずです。人事にかかわっている人なので、コミュニケーション能力も高く話しやすい人だと思います。
そのため『いい会社だなー』などと思ってしまいがちです。
しかし、実際に転職して働き始めると、その面接してくれた人と働くことはまずありません。
しっかり勤務する予定の店舗の人達を観察しましょう。

注意点8.実際に働く店舗前の病院の雰囲気


病院の雰囲気、特に医師の雰囲気をチェックすべきです。
医師の性格次第であなたの勤務する薬局が天国にも地獄にもなりうるからです。
D社のときの病院の先生は非常に厳しい先生でした。薬の不足も、ジェネリックへの変更も許さない人でした。その上、患者のアレルギー歴などもろくにチェックせずに疑義紹介すると機嫌が悪くなるという人間として心の狭い先生でした。
一度、なにを思ったか風邪の人に抗がん剤が誤って処方されていたこともありました。疑義紹介をして風邪薬に訂正されましたが、お礼も言われずムスッと電話を切られてしまいました。
本当にひどい医師だと感じました。それでも僕たち薬剤師は文句を言えないのがつらいところです。
逆にB社の病院の先生は仏様です。薬局のスタッフが働きやすいような取り決めを考えてくれる優しい先生です。この先生のおかげで、毎日楽しく、穏やかに業務をすることができます。

注意点9.どんな機器が導入されているか?


導入されている機器をチェックしましょう。
これを確認することで、社長または経営陣がどれほど現場のスタッフの労働環境を考えてくれているかがわかります。
また、ミスゼロ子などが導入されているか否かで安全意識が高いかも判断できます。
D社は機器の導入がほぼされていませんでした。そして、いまだに、紙薬歴でした。
逆に、ABC社はミス0子、自動調剤分包、ipadなどの導入がありました。機械が導入されているか否かで作業効率はまったく違ってきます。

注意点10.給料・手当・補助はどれくらいあるか?


日本人はお金の話をするのがタブーですが、給料・手当・補助をしっかり確認すべきです。
具体的には
- 年収は?
- ボーナスは?
- 直近の昇給額は?
- 地域手当は?
- 残業代の計算(何分単位で認められるか)は?
- 薬剤師会・認定薬剤師・実務実習指導薬剤師の費用は自己負担か?
などです。
一般的に小さい会社ほど給料の融通がきいて、大きい会社ほど融通がききません。
D社は社長さえ説得できれば問題ありませんでした。
逆にAB社は社長に会う機会すらありません。昇給は他の薬剤師とほぼ一律でしたね。

注意点11.転職サイトへの登録


転職するときは必ず転職サイトに登録しましょう。
仕事をしながら自力で転職先を見つけるのはなかなか難しいからです。
名前や住所などを書いたりするのが面倒という人もいるかもしません。しかし、転職サイトに登録する手間より、あなた一人で就職先の候補を見つける方が数十倍と手間がかかります。
さらに転職のプロがもっている情報を甘く見てはいけません。自分では絶対に見つけられないような条件のいい会社を見つけてくれる時もあります。
かならず転職サイトには登録しておきましょう
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注意点12.転職サイトは複数登録すべき




複数の転職サイトに登録しましょう。
なぜなら転職サイトによって持っている情報に違いがあるからです。僕も転職するときは3つの転職サイトに登録しました。『わざわざ3つも登録しなくても同じでしょ?』という人もいるかもしれません。
でも、それぞれのエージェントが見つけてくれる会社は、実際、異なっていることも多く選択肢が広がりました。どうも転職サイトによって得意・不得意な分野があるようです。
そのため、転職サイトは複数登録すべきだと考えます。
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注意点13.自分でもリサーチを


転職サイトのエージェントの情報をうのみにせず、自分でリサーチすることも大事です。
エージェントは基本転職させたがります。そのため紹介する会社の悪口は言いいません。いいところしか言わないのです。
そのため、自分でも紹介してもらった会社をリサーチすることが大切です。友人に情報がないかを聞いたり、ネットで会社の悪い噂がないかを調べましょう。悪い情報を見つけた場合は、転職サイトの担当者に確認しましょう。

注意点14.条件をしっかり考えておく




転職サイトに相談するときは、自分が絶対にゆずれない条件をしっかり考えておくことが大切です。なぜなら、自分の中で基準をもっていないと、転職サイトの人が、どんどん案件を持ってきてしまうからです。
確かに、選択肢を多く持つことは大切です。でも、転職サイトの人も転職させようと必死なのであまりに選択肢が増えてくると、自分の中で一体なにが大事なのかわからなくなってきてしまうのです。
そのため、ある程度のゆずれない条件を持って、迷わないようにしておきましょう。

注意点15.聞きにくいこと・要望はエージェント経由で


直接、転職先の人にお金の話や要望を言うのはむずかしいものです。
そのため、聞きにくいこと、要望はエージェント経由で伝えましょう。これも転職サイトを利用するときのメリットです。エージェントも本気で転職を成功させたいと考えているので、希望・要望はなんでも話すべきです。
お金の話も、転職する人ならだれしもが気にすることなので遠慮はいりません。
とりあえず提示された給料の増額を希望するといいと思います。

注意点16.○○に関連した会社ではないか?
さて、ここまでいろいろと確認すべき事項を書きました。上記のことは正直、転職を経験した薬剤師ならすでに持っている知識なのではないでしょうか。
ここからが特別編です。
今から書くことは、経験した人が少ないはずです。
ぜひ参考に読んでみてください。


転職するとき宗教に関連した会社ではないか確認すべきです!
なんと僕が3番目に入社したC社は宗教に関連した会社でした・・・。C社に入った時は、面接してくれた人も、上司もいい人だったので『いい会社かなー』と思っていました。
でも、
- 完全週休二日制だったり
- 勤務開始時間の30分前の出勤であったり
- 給料が少し低かったり
- 社歌があったり
- 休憩室によくわからない目標が書いてあったり・・・
一般の会社ではないようなルールを知り始めて『おかしな会社だな』・・・と思っていました。
そして、ちょっと気になってC社のことをネットで調べてみました・・・(転職前に調べるべきだった!)
すると2ちゃんねるに思いっきりC社のことが書かれていました!
そしてC社はある宗教団体の会社!注意!!とありました。
これを見たときは目玉が飛び出るほどびっくりしました。そして、全身に鳥肌がたちました・・・
C社は、なんと宗教団体だったのです。そして真実はわかりませんが、C社は将来的に入信しないと昇進できないとまで書かれていました。
さらに僕は、その宗教団体のホームページを調べました。
すると、またまたびっくりしました。
そのホームページにその年の目標が掲げられていたのですが、その目標が薬局の休憩室に書いてあった目標と同じだったのです!
これを見たときは卒倒するかと思いました。恐ろしくなり、入社してたった2週間で僕は退職を決意したのでした・・・

注意点17.勝手にやめない


この話には続きがあります。
宗教の会社と知って僕はすぐに退職願を出しました。
面接してくれた人も特に何も言わず、退職を受け入れてくれたので安堵していました。入信のお誘いがあるかと思いましたがそんなこともなく拍子抜けでした。
でも退職の意向を伝えてから僕の電話に何度も電話がありました。僕は仕事中だったので出られなかったのですが、同じ番号から不在着信が5件もあったのです。
少し怖かったのですが、折り返したところC社をお世話してくれた転職サイトのエージェントでした。
その人は穏やかな優しい人だったのですが、なんと別人のように豹変していたのです!
- 転職を面倒見てあげたのに失礼じゃないか
- やめるならまず相談してほしい
- 電話無視するな
- C社からクレームがあった
こういったことをかなり汚い言葉で罵ってきたのです。
とりあえず、ここで理由を話しても分かってもらえないと思ったので平謝りして電話を終えました。
転職サイトを使って就職した会社を辞める場合は、勝手にやめず、エージェントにまず相談した方がいいことを学びました。

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コメント
以上、転職するときに注意すべきことを実際に僕が経験したことに基づいてまとめました。
転職に迷っている方は、とりあえず登録した転職サイトのエージェントに今の思いをぶつけるとよいでしょう。
かなり親身になって相談乗ってくれて、豊富な情報ももらえるので参考になると思います。
順位 | 転職サイト | 点数 | 特徴 |
---|---|---|---|
1位 | 薬キャリ | 87点 | 求人数が多く、対応が速い |
2位 | マイナビ薬剤師 | 68点 | 大手のノウハウをいかし、高いサポート力を発揮 |
3位 | アプロ・ドットコム | 67点 | 感想もよく、派遣求人数も多い |
薬剤師の転職サイト20社をランキングしたものが、上の表になります。
参考にしてください。
ちなみに、あの暴言を吐いてきたエージェントのいる転職サイトは載せていないので安心してください。
