薬剤師
『もしかして、僕の薬局ってブラック?
転職したほうがいいかな?
でも次の薬局もブラックだったらどうしよう・・・』
その悩みに答えます。
僕は調剤薬局の管理薬剤師を8年ほど。
薬剤師は10年以上やっています。
この記事では、今すぐ転職すべきブラック薬局の特徴について説明します。
そして、転職のときブラック薬局かどうか見分ける方法についても説明するので参考にしてください。
今すぐ転職すべきブラック薬局の特徴
ブラック薬局の特徴は以下の通りです。
- 給料が平均からかけ離れている
- 残業が多い
- リスクマネジメントができていない
- 上司の性格が悪い
- 法令違反している
- 休みがとれない
- 新卒の研修・教育制度がない
それぞれ説明します。
給料が平均からかけ離れている
薬剤師の平均年収は、544万円です。(賃金構造基本統計調査)
そして、調剤薬局でフルタイムで働く薬剤師の平均年収は、584万円です。(年収事情 調剤薬局編)
管理薬剤師の年収についても記事を書いたので参考にしてください。
このことから、年収が500万以下の薬局は、ブラック薬局の可能性が高いです。
利益を経営者が独り占めして、他のスタッフは低賃金で働かせているためです。
一方で、管理者でもないのに年収が600万円以上の薬局も注意が必要です。
年収が高いということは、給料を高くしないと薬剤師が来てくれないわけです。
もちろん、へき地や田舎といった理由ならわかるのですが、特に田舎でもないのに年収が高いのは怪しいです。
『薬剤師の人数を減らし、1人当たりの年収が高い』
ということも考えられるので注意が必要です。
残業が多い
残業が多いのもブラック薬局の特徴です。
働き方改革により、残業時間の上限は、月45時間、年間360時間となっています。
この時間を超えるなら、例外なくブラック薬局です。
しかし、毎月20時間以上の残業がある薬局もブラック薬局だと考えます。
なぜなら、月の出勤日が20日とすると、平均1日1時間の残業が発生している計算になります。
これは、残業が慢性化していることを意味しています。
残業はあくまで、突発的なことが起きた時に発生するものです。
- 繁忙月
- 棚卸
- スタッフの突然の退職
こういったことが原因なら仕方ないかもしれません。
そうではなく、毎日の残業が当たり前になっているのは、ブラック薬局です。
リスクマネジメントができていない
経営者にとってリスクマネジメントは、短期的な利益にならず、経費がかかってしまいます。
そのため、薬剤師のことを考えないブラック薬局はリスクマネジメントがおろそかになるという傾向があります。
- 機械を導入していない
- 過誤が起きた時のマニュアルがない
- 調剤ミスを周知するシステムがない
こういった薬局は、ブラック薬局の可能性が高いです。
特に機械に関しては、導入していることで精神的負担がかなり減らせます。
すべての薬局に導入して欲しいところです。
上司の性格が悪い
- 仕事を押しつけてくる
- ミスに激昂する
- 目標が高すぎる
薬局の雰囲気は上司で決まる部分があります。
上記のような上司がいる薬局は、ブラック薬局になります。
ミスをしたり、その先輩の思い通りに行動しないと怒られることもありました。
すべてを仕切っていて、周りのスタッフは一緒に働くのがイヤになっていました。
そして薬局の上司だけではなく、処方元の医師の性格も大切です。
- 激昂しやすい
- なにかと医師の承諾が必要
- 薬剤師の権限である業務に対しても口出し
こういった感じの医師がいると、ブラック薬局になってしまいます。
『患者に服薬指導するな』
と命令していました。
薬剤師はただ薬を渡しているだけ。
薬剤師の責任を果たせているのか疑問です。
- ジェネリックのメーカーも指定
- 卸の会社も指定
- 薬剤師による在宅や健康イベント反対
このように、すべてが処方元の医師によってしばられている状態で、まったく面白くない薬局でした。
法令違反している
法令違反している薬局は、もちろんブラック薬局です。
- 薬歴未記載
- 処方箋の付け替え
- 管理薬剤師の他店舗勤務
今まで多くの薬局の法令違反が報道されました。
薬局の不正についてまとめたので参考にしてください。

現在、調剤薬局のコンプライアンス遵守がかつてないほどの勢いで叫ばれています。
そんな中、いまだに法令を守っていない薬局はブラック薬局と言わざるを得ません。
上記以外に、僕が聞いたことがあるのは、
- 事務員による一包化調剤
- 事務員が在宅に行く
- 処方箋なしで薬の販売
- 薬剤師1人40枚以上の処方箋を扱う
- 後発品を調剤して請求は先発品
といったところです。
細かい点も含めれば、法令を守っていないところはたくさんあると思います。
マスコミが騒ぎ出す前に、転職しましょう。
休みがとれない
- 有給がとれない
- 薬歴のために休日に出勤する
- 昼休憩がまともにとれない
こういった薬局はブラック薬局です。
『有給をとるのは、冠婚葬祭のときだけ!』
と考える上司もいます。
有給をとろうとしても、理由を聞かれ、却下されてしまいます。
そして、薬歴を書く時間がまともとれない薬局もあります。
ブラック薬局だと、休日に薬歴を書きに薬局に行きます。
もちろん残業代などは出ません。
また、1人薬剤師だと、昼休憩をまともにとれない場合があります。
昼休憩中に患者の対応をした場合、その時間分、どこかで休憩すべきです。
しかし、それを許してくれない薬局があります。
こうなると忙しい冬場は、まったく休憩がないということも起こりえるので恐ろしいです。
新卒の研修・教育制度がない
新卒に対する研修・教育制度がないのはブラック薬局である可能性が高いです。
ないということは、
- 人を育てるという姿勢がない
- 現場の薬剤師に任せきり
- 最初からスキルのある薬剤師しかいらない
という解釈になります。
成長できる環境がないのはブラック薬局の特徴です。
ただし、中途採用の薬剤師に対する研修・教育制度がない薬局は多いかもしれません。
中途の薬剤師のスキルはピンキリなので教育システムを作るのが難しいことが理由の1つです。
転職サイトのエージェントに確認する
転職サイトのエージェントに聞けば、自分の薬局がブラックかどうかわかります。
なぜなら、薬局の実情について詳しく、客観的な判断ができるからです。
- 会社の人間
- 他の薬局で働く薬剤師
に相談しても、アドバイスがどうしても主観になってしまいます。
自分の薬局がブラックかどうか知りたいなら、求人数を多く持っている大手の転職サイトがいいです。
以下に、おすすめをまとめておきます。
マイナビ薬剤師
コンサルタントの質が高く、5年連続満足度が1位となっています。
⇒マイナビ
ファルマスタッフ
拠点が15箇所あり、面談を重視していることで、転職者の実情をつかみやすいです。
実際に利用してファルマスタッフが一番親身に感じました。
⇒薬剤師の求人・転職なら「ファルマスタッフ」
薬キャリ
10万人の薬剤師が登録するm3.comを運営するエムスリーの会社です。
あらゆる情報からブラック薬局なのかどうか教えてくれるでしょう。
⇒薬キャリ
ブラック薬局ならすぐに転職を
もし上記のようなブラック薬局で働いているなら、すぐに転職すべきです。
しかし、
- 入社したからには3年以上はがんばりたい
- やめるとヘタレだと思われる
- 退職したいといいづらい
と話す薬剤師もいます。
たしかにそうです。
ブラック薬局で働くとそれが自信につながるときもあります。
しかし、僕は、ブラック薬局であるならすぐさま退職すべきだと思います。
なぜなら
- 心身の健康を損なう
- 考え方がゆがむ
- 時間がムダ
- 最悪、命の危険も
こういったデメリットがたくさんあるからです。
健康を損なった場合、回復するのにも時間がかかり、いいことがありません。
退職したいけど、退職できないという方は近ごろ利用者が急増している退職代行サービスを利用するのもいいでしょう。
おすすめの退職代行をまとめたので参考にしてください。
退職代行コンシェルジュ
テレビで特集されていた退職代行サービス会社で多くの人が利用しています。
24時間相談が何度でも可能です。
退職が完了するまで電話、LINE、メールで対応し、追加料金はありません。
即日に対応してくれます。
わたしNEXT
女性の退職に特化した退職代行サービス会社です。
創業から14年を誇り、女性にありがちな退職の悩みを熟知しています。
退職成功率100%で、転職のお祝い金5万円がもらえます。
汐留パートナーズ法律事務所
どちらかと言えば、やめたくてもやめれない薬剤師向けです。
弁護士事務所が行う退職代行サービスで、
- 残業代請求
- 退職金請求
- 有休消化請求
も行ってくれます。
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ブラック薬局の見分け方
ブラック薬局を退職して、次の薬局もブラック薬局では意味がありません。
転職活動の際に、ブラック薬局かどうか見分けられるようにしましょう。
まず、薬剤師が転職活動するときは必ず転職サイトを利用してください。
なぜなら、エージェントから提供される情報からブラック薬局かどうかを見分けることができるからです。
それにブラック薬局は、転職サイトをあまり使わずに、薬剤師を雇用しているケースが多いです。
転職サイトのエージェントから提供される情報と店舗見学の情報から以下の点を確認しましょう。
- 残業時間・有給消化率
- 提示される給料がなぜその金額なのか
- 経営者の性格
- リスクマネジメントの方法
- 面接場所の様子
- スタッフの様子
- 大手か中小薬局か
それぞれ説明します。
残業時間・有給消化率
残業時間・有給消化率がどのくらいか確認しましょう。
エージェントに聞いてもいいですし、店舗見学のときでもよいです。
有給消化率を計算している会社と計算していない会社がありますが、有給消化率を答えられないところは要注意です。
店舗見学のとき、薬剤師と話す機会があれば、尋ねるのも良いと思います。
提示される給料がなぜその金額なのか
給料が高かったり、低かったりする場合、なぜその金額になるのか確認すべきです。
給料は、ブラック会社かどうかを見分けるのに役立ちます。
そして、中小の薬局ほど、ブラック会社の特徴が給料に反映されやすいです。
給料が高い場合、
- 薬剤師1人が扱う処方箋枚数が多いのか?
- 施設の処方箋を受けており利益が多いのか?
給料が安い場合、
- 皮膚科や眼科で採算があまりとれていないからか?
- 集中率や後発率の関係で利益が減ったからなのか?
といったことを確認しましょう。
経営者の性格
経営者と面談できるなら、以下の点をチェックするとよいです。
- 自慢話ばかりする
- 謙虚か?
- 他のスタッフへの仕事の頼み方
経営者の性格が、横柄なものならブラック薬局の可能性が高いです。
また経営者だけでなく、自分の上司となりそうな人のチェックもしましょう。
リスクマネジメントの方法
調剤過誤に対してどういう対策をとっているか確認しましょう。
安全管理に対して対策がとられていない場合は、利益が優先のブラック薬局である可能性が高いです。
僕としては機械を導入して欲しいところです。
面接場所の様子
面接の場所がどんな場所かチェックしましょう。
- 面接場所が薬が乱雑に並んでいる倉庫みたいなところ
- トイレが汚い
- 整理整頓されていない
こういった薬局はブラック薬局の可能性が高いです。
スタッフの様子
店舗見学のとき、そこで働くスタッフを話すことができるのなら、
- 顔色はいいか
- 笑顔があるか
- スタッフ同士のコミュニケーションはどうか
こういったところをよく見ましょう。
- 元気がなさそう
- 笑顔がない
- コミュニケーションがとれていない
こういった感じの薬局はブラック薬局の可能性があります。
大手か中小薬局か
大手と中小どちらがブラック薬局が多いかと言うと、中小薬局にブラック薬局が多いです。
中小薬局だと、監査が入りづらかったり、経営者とスタッフの距離が近いことで、経営者の色が薬局にでやすくなるからです。
中小薬局のブラックで僕が知っているのは
- 保険制度をほとんど理解しておらず個別指導で再再指導をうける
- 社長と女性薬剤師が不倫しており、その薬剤師に特別待遇
といったものがあります。
ブラック薬局をどうしても避けたいのなら、大手薬局に入ることをおすすめします。
派遣
派遣薬剤師をやる場合、ブラック薬局で働く可能性があることを知っておいてください。
その薬局はどうして派遣薬剤師の求人を出しているのかを確認しましょう。
派遣を雇うということは、正社員が定着していないということです。
定着しないのは、
- 薬局の場所的な問題なのか?
- 急にスタッフが退職したからなのか?
- ブラック薬局だからなのか?
いずれかにわかれます。
判断が難しいならエージェントに相談しましょう。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。