セフェム系抗生物質の特徴についてわかりやすく説明します。
簡単に理解できるように下手ですが漫画も描きました。
ご覧ください。
漫画~セフェム系抗生物質~
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方 は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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セフェム系抗生物質とは?
セフェム系抗生物質とは、β-ラクタム系抗生物質のうちの一つです。
β-ラクタム系抗生物質というのは、物質の形(構造式)としてβ-ラクタム環を持っているものを言います。
その中でもβ-ラクタム環にヘテロ六員環という形がついたものを、セフェム系抗生物質と呼びます。
β-ラクタム環をもつ抗生物質は、他に
- ペニシリン系
- カルバペネム系
- ペネム系
- モノバクタム系
があります。
セフェム系抗生物質の商品は?
セフェム系抗生物質は開発された時期に応じて第一世代から第四世代まであります。
世代が進むにつれて、グラム陽性菌に効果がなくなり、グラム陰性菌 に効果を持ち始めます。
世代がすすめば、効果が高いというわけではありません。
また腸球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)には効果はありません。
第一世代
第一世代は最初に開発されたセフェム系抗生物質です。
グラム陽性菌に効果があります。
メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)の第一選択薬です。
また、グラム陰性桿菌の大腸菌にも効果があります。
以下、第一世代セフェム系抗生物質の一覧です。赤字が注射薬です。
- セファロチン(商品名:コアキシン)
- セファゾリン(商品名:セファメジンα)
- セファレキシン(商品名:ケフレックス、L-ケフレックス)
- セフロキサジン(商品名:オラスポア)
- セファクロル(商品名:ケフラール)
- セファクロル複合顆粒(商品名:L-ケフラール)
第二世代
第一世代よりグラム陰性菌に対して効果が広がりました。
グラム陰性桿菌のインフルエンザ菌に対しても効果があります。
ただしグラム陽性菌に対する効果が落ちています。
抗生物質を分解してしまうβ-ラクタマーゼに分解されないように改良されています。
髄液に移行しないため髄膜炎には使用されません。
以下、第二世代セフェム系抗生物質の一覧です。赤字が注射薬です。
- セフォチアム(商品名:パンスポリン)
- セフメタゾール(商品名:セフメタゾン)
- セフミノクス(商品名:メイセリン)
- セフォチアムヘキセチル(商品名:パンスポリンT)
- セフロキシム(商品名:オラセフ)
第三世代
さらにグラム陰性菌に対して効果が広がりました。
またβ-ラクタマーゼに対しても抵抗力が強くなりました。
髄液に移行しやすいため髄膜炎に使用されることがあります。
セフタジジム以外はグラム陰性桿菌の緑膿菌に効きません。
肺炎や心内膜炎や敗血症などを引き起こします。
以下、第三世代セフェム系抗生物質の一覧です。赤字が注射薬です。
- セフォタキシム(商品名:クラフォラン、セフォタックス)
- セフメノキシム(商品名:ベストコール)
- セフォペラゾン(商品名:セフォビッド、セフォペラジン)
- スルバクタム・セフォペラゾン(商品名:スルペラゾン)
- セフトリアキソン(商品名:ロセフィン)
- セフタジジム水和物(商品名:モダシン)
- セフタジジムナトリウム(商品名:ケニセフ)
- セフテラム(商品名:トミロン)
- セフィキシム(商品名:セフスパン)
- セフジニル(商品名:セフゾン)
- セフポドキシム(商品名:バナン)
- セフチブテン(商品名:セフテム)
- セフジトレン(商品名:メイアクト)
- セフカペン(商品名:フロモックス)
- セフチゾキシム(商品名:エポセリン)
第四世代
グラム陽性菌、グラム陰性菌に対して広い抗菌力を持つようになりました。
第三世代までのセフェムではほとんど効果がなかったグラム陰性桿菌である、緑膿菌に対しても抗菌力を持つようになりました。
いずれも緑膿菌に有効です。
第三世代よりβ-ラクタマーゼに分解されにくくなっています。
第四世代は第三世代にまとめられることもあります。
髄液への移行性があります。
以下、第四世代セフェム系抗生物質の一覧です。すべて注射薬です。
- セフピロム(商品名:セフピロム)
- セフォゾプラン(商品名:ファーストシン)
- セフェピム(商品名:マキシピーム)
オキサフェム系
セフェム系抗生物質の特徴であるヘテロ六員環の一部が変更された抗生物質でオキサセフェム系と呼びます。
セフェム系抗生物質の一つです。
- フロモキセフ(商品名:フルマリン)
- ラタモキセフ(商品名:シオマリン)
フルマリンは第二世代セフェム系、シオマリンは第三世代セフェム系と同等として考えられています。
セフェム系抗生物質の作用機序は?
細菌の細胞壁という部分の合成を阻害することで細菌を退治します。
β-ラクタム系抗生物質は、すべてこの作用機序になります。
セフェム系抗生物質の副作用は?
代表的なものとしては下痢、肝機能障害です。
下痢はよく起きます。
そのため予防として整腸剤も一緒に服用することが多いです。
症状が重い副作用はアナフィラキシーショック、偽膜性大腸炎、中毒性表皮壊死融解症などがあります。
これらの副作用は確率としては非常に低いです。
低カルニチン血症
セフェム系抗生物質に特徴的な副作用は低カルニチン血症です。
ピボキシル基というものを持つ薬に起こる副作用です。
セフェム系抗生物質の中では、メイアクト、フロモックス、トミロンが該当します。
低カルニチン血症が起こると低血糖症状が出てきます。
症状が進むとけいれんが起きたり、意識がなくなることもあるので注意が必要です。
小さい子供に起きやすい副作用です。
あとがき
世界で初めて誕生したペニシリン系抗生物質の次に誕生したのが、セフェム系抗生物質になります。
一番目にしやすいのが、第三世代のメイアクト、フロモックス、トミロンですね。
よく処方があります。
これらの特徴は低カルニチン血症です。
起きる確率は低いのですが、処方される数が多い分それだけ、起きる数が増えてしまいます。
抗生物質を服用して異変に気づいたら早めに病院に行きましょう。
ちなみに抗生物質に関しては以下の本がおすすめです。
わかりやすい説明で読みやすかったです。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。