妊婦はニューキノロン系抗生物質を飲んではいけない。
妊娠している場合でも、風邪をひくことはあります。
病院に行ってお薬をもらうときに抗生物質が処方されるときがあります。
抗生物質と聞くと、作用が強くて副作用によって生まれてくる赤ちゃんに影響がないか心配です。
この記事では妊婦が服用できる抗生物質についてわかりやすく説明します。
簡単に理解できるように下手ですが漫画も描きました。
ご覧ください。
ここで説明する抗生物質は、細菌に作用する抗生物質です。
つまり抗菌薬です。
サルファ剤や合成抗菌薬も含めます。
抗ウイルス薬や、抗真菌薬、抗がん性抗生物質、免疫抑制剤は含めません。
この記事の内容
漫画~抗生物質と妊婦~
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方 は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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絶対に妊婦が服用してはいけない抗生物質
妊婦または妊娠している可能性のある女性が絶対に服用してはいけない抗生物質を一覧にしてまとめました。
キノロン系抗生物質
- ピペミド(商品名:ドルコール)
安全性が確立していないため
ニューキノロン系抗生物質
- オフロキサシン(商品名:タリビッド)
安全性が確立していないため - ガレノキサシン(商品名:ジェニナック)
安全性が確立していないため - シタフロキサシン(商品名:グレースビット)
安全性が確立していないため - シプロフロキサシン(商品名:シプロキサン)
安全性が確立していないため - トスフロキサシン(商品名:オゼックス、トスキサシン)
安全性が確立していないため - ノルフロキサシン(商品名:バクシダール)
安全性確立していないため ただし、特定の病気に対してなら必要に応じて可能 - パズフロキサシン(商品名:パシル、パズクロス)
安全性が確立していないため - プルリフロキサシン(商品名:スオード)
安全性が確立していないため - モキシフロキサシン(商品名:アベロックス)
安全性が確立していないため サルで流産の報告がある - レボフロキサシン(商品名:クラビット)
安全性が確立していないため - ロメフロキサシン(商品名:バレオン)
安全性が確立していないため
サルファ剤
- スルファジメトキシン(商品名:アプシード)
妊娠末期のとき禁忌(薬が胎盤を通過して赤ちゃんが高ビリルビン血症になることがあるため)
末期以外の妊婦または妊娠している可能性のある女性は服用しないのが望ましい(ラットやマウスで催奇形性の報告があるため)
赤血球が分解された物質であるビリルビンが体内に増えた状態。
どこかの異常によりビリルビンを体外にうまく出せないことで起きる。
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム(商品名:バクタ、バクトラミン)
先天異常の報告があるため
ラットに骨格、内臓異常、マウスに口蓋裂の催奇形性が報告されているため
唇が大きく切れていること
赤ちゃんの体の一部の形に異常が起きること
結核薬
- デラマニド(商品名:デルティバ)
動物実験で胎盤通過、内臓・骨格変異などの報告があるため
すべてのニューキノロン系抗生物質は妊婦に対して禁忌になります。
禁忌とは絶対にだめということです。
ただし、タリビット点眼液 クラビット点眼液、タリビット点耳液、バクシダール点眼液などの外用の抗生物質は禁忌ありません。
妊婦または妊娠している可能性がある人で、上記の抗生物質が処方された場合は、医師、薬剤師に相談してください。
誤って処方されている可能性があります。
できるだけ妊婦が服用しない方がよい抗生物質
アミノグリコシド系抗生物質
- ジベカシン(商品名:パニマイシン)
動物実験で脳神経障害の報告があるため
リンコマイシン系抗生物質
- クリンダマイシン(商品名:ダラシン)
安全性が確立していないため - リンコマイシン(商品名:リンコシン)
安全性が確立していないため
ダラシンは塗り薬もありますが、塗り薬も妊婦は使用しない方がよいとされています。
ホスホマイシン系抗生物質
- ホスホマイシン(商品名:ホスミシン)
安全性が確立していないため
サルファ剤
- スルファジメトキシン(商品名:アプシード)
妊娠末期のとき禁忌
(薬が胎盤を通過して赤ちゃんが高ビリルビン血症になることがあるため)
末期以外の妊婦または妊娠している可能性のある女性は服用しないのが望ましい
(ラットやマウスで催奇形性の報告があるため) - サラゾスルファピリジン(商品名:サラゾピリン、アザルフィジン)
催奇形性の報告はないが、他のサルファ剤で催奇形性の報告があるため
抗結核薬
- リファンピシン(商品名:リファジン)
マウスやラットで催奇形性の報告があるため - イソニアジド(商品名:イスコチン)
マウスで発育障害の報告があるため - パラアミノサリチル酸(商品名:ニッパスカルシウム)
他の薬との併用で催奇形性の報告があるため - アルミノパラアミノサリチル酸(商品名:アルミノニッパスカルシウム)
他の薬との併用で催奇形性の報告があるため - イソニアジドメタンスルホン酸(商品名:ネオイスコチン)
イソニアジドで催奇形性の報告あるため
妊婦が服用しても問題のない抗生物質
セフェム系抗生物質、ペニシリン系、マクロライド系抗生物質の安全性は高いです。
これらの抗生物質は小児用で粉薬もあり、これらの薬が胎盤を通過して赤ちゃんまで届いても影響がないと考えられています。
代表的なペニシリン系抗生物質
- アモキシシリン(商品名:サワシリン、ワイドシリン)
- アモキシシリン・クラブラン酸(商品名:オーグメンチン、クラバモックス)
代表的なセフェム系抗生物質
- セフジトレン(商品名:メイアクト)
- セフカペン (商品名:フロモックス)
- セフジニル(商品名:セフゾン)
- セフテラム(商品名:トミロン)
代表的なマクロライド系抗生物質
- クラリスロマイシン(商品名:クラリス、クラリシッド)
- アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)
ただし、フロモックス、メイアクト、トミロンは妊娠後期に服用すると赤ちゃんが低カルニチン血症になることがあります。
妊婦が飲んではいけないというわけではありませんが、医師の判断が必要です。
カルニチンというアミノ酸の一種が体内で少なくなり、ひどくなると低血糖、痙攣、脳症などを引き起こす症状です。
妊婦が抗生物質を服用する必要性
妊娠中は副作用をさけるためにも不必要な薬をのむべきではありません。
特に妊娠4週から7週末は赤ちゃんが一番影響を受けやすい時期です。
なぜならこの時期は、体の大事な部分が形成されていくときだからです。(3週末まではほとんど赤ちゃんに影響がないと考えられています)
しかし、副作用や赤ちゃんへの影響を心配し過ぎて、必要な薬であるにもかかわらず服用しないのも問題です。
妊娠中は、免疫力が低下しやすく細菌が繁殖しやすい状態です。
そのため、膀胱炎、虫歯、クラミジアなどの感染症になる場合があります。
感染症にかかると、体力を消耗してしまい、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。
つまり、症状をできるだけ早めに治すために抗生物質を服用する必要あります。
妊婦の感染症には一般には、安全性の高いセフェム系、ペニシリン系、マクロライド系抗生物質が妊婦に処方されます。
ただし、体調が悪いからと言って、家に残っていた抗生物質をむやみに服用してはいけません。
服用する必要があるのは、治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合です。
医師、薬剤師の指示に従って 妊婦と赤ちゃんのためにベストな治療を受けましょう。
妊婦が薬を飲む場合の相談する窓口があります。
妊娠と薬情報センター
ただし、相談するためには医師の紹介が必要です。
妊婦が抗生物質を飲まないために
そもそも妊婦になってから抗生物質を服用しないようにする環境作りが大切です。
子作りをする前に、虫歯の治療、性病のチェックなどを済ませておきましょう。
そして妊娠中は、口腔ケアをしっかり行います。
膀胱炎にならないためには、おしっこをがまんしない(尿の雑菌が繁殖してしまう)、おしりの吹き方に気をつける(肛門の細菌が膀胱に入ると膀胱炎を引き起こすことがある)ことも大切です。
ちなみに抗生物質に関しては以下の本がおすすめです。
わかりやすい説明で読みやすかったです。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。