ペニシリン系抗生物質の特徴について分かりやすく説明します。
まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。
漫画~ぺニシリン系抗生物質とは?~
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方 は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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ペニシリン系抗生物質とは?
ペニシリン系抗生物質とは、βラクタム系抗生物質の一つです。
βラクタム系抗生物質というのは、物質の形(構造式)としてβラクタム環を持っているものを言います。
βラクタム環をもつ抗生物質は、他にセフェム系、カルバペネム系、モノバクタム系があります。
その中でもペナム骨格という形を持っているものを、ペニシリン系(ペナム系)抗生物質と呼びます
ペニシリン系抗生物質の商品は?
天然ペニシリン系
- ベンジルペニシリンカリウム(商品名:ペニシリンGカリウム)
- ベンジルペニシリンベンザチン(商品名:バイシリンG)
人類初の抗生物質を発見したのがイギリスのフレミング博士です。
その発見した抗生物質をもとにして作られた最初のペニシリン系抗生物質です。
特徴は、
グラム陽性菌球菌、グラム陽性桿菌(かんきん)、グラム陰性球菌⇒有効
グラム陰性桿菌⇒無効
となります。
広範囲ペニシリン系
- アモキシシリン(商品名:パセトシン、サワシリン、アモリン)
- アンピシリン(商品名:ビクシリン)
- アンピシリン・クロキサシリン(商品名:ビクシリンS)
- バカンピシリン(商品名:ペングッド)
- ピペラシリン(商品名:ペントシリン)
天然ペニシリン系を改良したものです。
特徴は、
インフルエンザ菌や大腸菌や緑膿菌などのグラム陰性桿菌⇒有効
となります。
βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系
- アモキシシリン・クラブラン酸(商品名:オーグメンチン、クラバモックス)
- アンピシリン・スルバクタム(商品名:ユナシンS)
- スルタミシリン(商品名:ユナシン)
- タゾバクタム・ピペラシリン(商品名:ゾシン)
ペニシリン系抗生物質の乱用によって耐性菌が出現しました。
その耐性菌はペニシリン系抗生物質を分解するペニシリナーゼを産生します。
これに対抗するために人類は、ラクタマーゼ阻害薬を開発しました。
これは、ペニシリナーゼの働きを阻害します。
ペニシリン系抗生物質にラクタマーゼ阻害薬を配合することで、抗生物質が分解されないように工夫したのです。
ペニシリン系抗生物質の作用機序は?
細菌の細胞壁という成分の合成を阻害することで細菌を退治します。
もう少し細かく言うと、細菌の細胞壁のペニシリン結合タンパク質(PBP)に作用します。
ペニシリン系抗生物質の副作用は?
代表的なものとしては下痢、肝機能障害です。
下痢はよく起きます。
そのため予防として整腸剤も一緒に服用することが多いです。
症状が重い副作用はアナフィラキシーショック、偽膜性大腸炎、中毒性表皮壊死融解症などがあります。
これらの副作用は確率としては非常に低いです。
あとがき
世界で初めて開発された抗生物質がペニシリン系抗生物質です。
ペニシリン系抗生物質は時間依存性の薬です。
時間依存性とは、一定以上の薬の量が体内にとどまる時間が長いほど効果が出るということ
そのため1日3回服用したり、多いと4回服用することもあります。
ちなみに抗生物質に関しては以下の本がおすすめです。
わかりやすい説明で読みやすかったです。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。