入院率はインフルエンザよりも高い。
この記事では、RSウイルスについて説明します。
潜伏期間、症状、治療、注意点などをあわせて説明します。
ご覧ください。
この記事の内容
RSウイルスとは?
RSウイルスは、インフルエンザよりも少し早い時期に流行する乳幼児の呼吸器感染症です。
夏から秋にかけて患者が増えて、年末にピークを迎え、暖かくなるまで流行します。
しかし、最近のRSウイルスは1年を通して感染者がいます。
2017年は7月から急増しました。
RSウイルスは、1歳までに50%以上、2歳までにほぼ100%感染すると言われています。
感染しても十分に免疫が出来ない為、一生再感染を繰り返します。
しかし、感染を繰り返すことで免疫力が強くなるため、症状が軽くなっていきます。
赤ちゃんにRSウイルスが感染すると、軽症でも無呼吸発作を起こすことがあり、突然死を招くこともあります。
[ad1]
RSウイルスの潜伏期間は?
潜伏期間は、2-8日です。
4-6日が多いです。
RSウイルスの初期症状は?
発熱から始まるパターンが多いです。
RSウイルスの症状は?
まず、発熱、咳、鼻水などの上気道炎の症状が数日続きます。
その後、ひどくなってくると下気道炎の症状を起こします。
下気道炎症状は、気管支炎、細気管支炎、肺炎のことです。
咳が主な症状となることが多いです。
その咳が強くなったり、呼気性喘鳴(息を吐くときにゼエゼエする)、多呼吸などになります。
気道が狭くなって呼吸がしづらくなるため、横隔膜を下げて呼吸することがあります。
すると、お腹が出て、胸がへこむことがあります。(陥没呼吸)
下気道炎症状が強くなると、眠れない、食べられない、飲めないといった具合になり、入院となることもあります。
入院率はインフルエンザより高いです。
RSウイルスの治療は?
症状が軽ければ、RSウイルスと診断されることなく、ただの風邪として薬が処方されます。
咳がひどく、保険適用であれば、RSウイルスの検査キットが使用されることもあります。
検査が陽性であればRSウイルスと診断されます。
RS検査キットが保険適用になるのは、入院している子供、1歳未満の乳児などです。
もともと他の病気を持っている子は1歳以上でも保険適用になることがあります。
しかし、RSウイルスと診断されても特別な薬が処方されるわけではありません。
対症療法となり、症状に応じて薬が処方されます。
薬は、解熱剤、咳止め、痰きり、気管支拡張薬などです。
ロイコトリエン拮抗薬と言って咳の悪化を抑える薬が出ることもあります。
プランルカスト(商品名:オノン)、モンテルカスト(商品名:キプレス、シングレア)がロイコトリエン拮抗薬です。
RSウイルスの感染経路は?
飛沫感染や接触感染でうつります。
飛沫感染とは、咳やくしゃみなどのしぶき(飛沫)を介してうつることを言います。
接触感染とは、感染者の触ったところ(タオルやドアノブなど)を、他の人が触ってうつっていくことを言います。
症状が軽いと、RSウイルスに感染していると知らずに他の人にうつしてしまうことがあります。
注意点は?
十分な休養をとる必要があります。
こまめな水分補給をして、睡眠、栄養をよくとり、体を冷やさないようにしましょう。
室温、湿度にも気を配りましょう。
感染を拡大しないためにも、手洗い、うがいをしっかり行い、できればマスクもしましょう。
RSウイルスは、消毒薬に弱いので、次亜塩素酸ナトリウム、消毒用アルコールを使用して接触感染を防ぎましょう。
大人にも感染する?
大人にも感染することがありますが軽症ですむことが多いです。
お風呂に入っていいか?
風邪などの場合と同じで、高熱(38.5度以上)でなければお風呂に入っても構いません。
高熱の時は、体力を消耗してしまうので、お風呂は入らなくてもいいです。
汗をかいている場合はシャワーで洗い流す程度にしましょう。
ワクチンは存在するか?
RSウイルスのワクチンはありません。
しかし、予防方法としてパリビズマブ(商品名:シナジス筋注)という薬があります。
これは、流行初期に投与を開始して、1ヶ月ごとに筋肉内注射するという方法です。
これで、下気道炎の発症を軽くすることができます。
しかし、対象となるのは、早産や先天的な疾患のある子供です。
[ad1]
いつから登園・登校できるか?
RSウイルスは学校保健安全法で出席停止の対象にはなっていません。
熱が下がって、咳などの症状が落ち着けば、感染力が落ちるので登園・登校することができます。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。