細菌が原因の病気に対して使われる薬
この記事では、抗生物質の定義についてできるだけわかりやすく説明します。
まず、簡単に理解できるように下手ですが動画をつけました。
ご覧ください。
また、漫画も描きました。
こちらもよかったらご覧下さい。
この記事の内容
漫画~抗生物質とは?~
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方 は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
[ad1]
関連記事
[toggle title=”抗生物質に関する記事の一覧です”]

















[ad1]
[/toggle]
抗生物質とは?一言で言うと・・・
抗生物質というのは、定義がはっきりしていない状態です。
でも僕なりに簡単に説明すると、『抗生物質とは、抗菌薬を意味し、細菌を退治するための薬』です。
人に聞かれたら僕は、こう答えます。
抗生物質は、抗生剤と言うこともあります。
抗生物質とは?厳密に言うと・・・
抗生物質の定義は、1942年にされました。
そのときに、抗生物質とは「微生物が産生し、他の微生物の発育を阻害する物質」と定義されました。
この定義は、素人ではよくわからないでしょう。
子供に説明しても理解できないと思います。
他のわかりやすいものに例えてみましょう。
微生物とは細菌、つまりバイキンマンのことです。
そして他の微生物が、かびるんるんのことです。
「バイキンマンが作った(微生物が産生し)、かびるんるんをやっつけるもの(他の微生物の発育を阻害する物質)」
これが抗生物質です。
しかし、1928年に人類が初めて抗生物質を発見してから90年近くがたちました。
そのあいだに様々な研究、発見がなされました。
そのため、現在は抗生物質の意味があいまいになってきています。
まず、「微生物が産生し」の解釈が変わってきています。
微生物が産生したものだけではなく、微生物が産生した物質を、改良のため加工したものを含めるようになりました。
つまり、ばいきんまんが作ったものを改良したものも抗生物質になるわけです。
そして、「他の微生物の発育を阻害する」というのも意味が広くなってきています。
当時、ここでの微生物は細菌を意味していたのですが、細菌だけではなく、ウイルス、真菌(カビのこと)、腫瘍細胞、免疫細胞の発育を阻害するものも含めるようになりました。
つまり、かびるんるんだけではなく、ドキンちゃんやコキンちゃん(ドキンちゃんの妹分)もやっつけるということです。
これらをまとめると、
抗生物質とは「微生物が産生したものおよびそれを元に加工されたもので、細菌、ウイルス、真菌、腫瘍細胞、免疫細胞の発育を阻害する物質」
という具合になります。
置き換えると抗生物質とは、
「バイキンマンが作ったもの及びそれを改良したもので、かびるんるんやドキンちゃんやコキンちゃんをやっつけるもの」
ということです。
そして、
- 細菌に効く抗生物質を抗菌剤
- ウイルスに効く抗生物質を抗ウイルス薬
- 真菌に効く抗生物質を抗真菌薬
- 腫瘍細胞に効く抗生物質を抗がん性抗生物質
- 免疫細胞に効く抗生物質を免疫抑制剤
といいます。
抗生物質とは?実情は・・・
上記のように、抗生物質は、細菌以外のさまざまなものに対して効果があります。
しかし、抗生物質は細菌に効く薬、つまり抗菌薬である場合がほとんどです。
そのため実際のところは、抗生物質は、抗菌薬とほぼ同じ意味で使われています。
抗生物質≒抗菌薬
ということです。
そして、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗がん性抗生物質、免疫抑制剤という言葉は、まとめて「抗生物質」 と呼ぶことがありません。
抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗がん性抗生物質、免疫抑制剤がそれぞれ、単独の言葉で使われています。
この認識を持っている人が非常に多いのが実情です。
そのため、抗生物質には本来ならウイルス、真菌、腫瘍細胞、免疫細胞に効くものがあるのですが、
抗生物質≒抗菌薬の認識が強いことで
抗生物質はウイルス、真菌、腫瘍細胞、免疫細胞には効かないという認識が主流になってきています。
このサイトでは、わかりすく理解していただくために、抗生物質は抗菌薬を意味して使っています。
「そのため、抗生物質は、ウイルスには効きません」と表現することもあります。
完全に人工的なものは抗生物質?
さらに、『初めから人工的に作り出したものは、抗生物質なのか?』という疑問があります。
細菌に効く物質の中には、サルファ剤やキノロン系といって微生物由来ではなく、人工的に作り出された物質があります。
これは、『完全に人工的に作り出したものは、抗生物質ではない』という考えと『広義の抗生物質である』という考えがあり、はっきりしないところです。
ただ、日本では初めから人工的に作り出したものは、抗生物質ではないとする考えが多く、合成抗菌薬(抗菌薬のうちの一つ)と呼ばれる場合があります。
人類初の抗生物質
一番最初の抗生物質はペニシリンです。
アオカビから発見されました。
このペニシリンにより第二次世界大戦中に負傷した多くの兵が助かりました。
この発見をしたイギリスのフレミング博士はノーベル賞を受賞しています。
テレビや漫画で登場した抗生物質
手塚治虫の漫画「火の鳥」でけが人を治すためにアオカビを大量に食べさせるという場面がありました。
はたして抗生物質を抽出せずにアオカビ食べるだけで、本当に治るのかは不明です。
しかし、アオカビが作り出すペニシリンで体内にいる菌を退治しようという理屈です。
ドラマJINでも、アオカビから抗生物質のペニシリンを作り出す場面がありました。
ペニシリン製造に成功したことがわかった瞬間、俳優の田口浩正さん演じる山田純庵が「18番、薬効あり!!」って言うところが、僕の好きな場面です。
ちなみに抗生物質に関しては以下の本がおすすめです。
わかりやすい説明で読みやすかったです。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。