服薬情報等提供書(トレーシングレポート)で報告できる具体例

新米薬剤師
『トレーシングレポート提出したいけど、何を医師に伝えればいいんだろう?』

今回の記事では、服薬情報等提供料を算定するにあたって、どんなことを医師に情報提供すべきか具体例をまとめてみました。
まだ算定したことがない薬剤師はぜひ参考にしてみてください。

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服薬情報等提供料とは?

服薬情報等提供料とは、患者さんの同意のもと、病院に必要な情報を提供した場合に算定することのできる点数です。

薬剤師の判断で情報を提供した場合は20点、病院の求めにより情報を提供した場合は30点を算定することができます。

情報の提供は、服薬情報提供書、つまりトレーシングレポートを用いて報告します。
各都道府県の薬剤師会のサイトに提供書のひな形があると思うのでそちらを利用してください。

この点数は、地域支援体制加算の要件になることもあるのでぜひ算定したいところです。

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トレーシングレポートの具体例

トレーシングレポートの具体例は以下の通りです。

  • 一包化の提案
  • 副作用の報告
  • 用法変更の提案
  • 用量変更の提案
  • お薬代を安くする提案
  • 残薬調整の提案
  • 薬の効果発現の報告
  • 薬の変更の提案
  • 検査値の報告

それぞれ説明していきます。

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一包化の提案

まず、一包化の提案があります。

  • 飲み忘れがある
  • 薬の数が多い
  • PTPから錠剤をだしにくい

こういった問題がある場合は、一包化を提案するとよいでしょう。

注意点として、一包化をするには料金がかかるということです。
あらかじめ伝えておきましょう。クレームになることがあります。

副作用の報告

副作用の可能性が疑われるときは、トレーシングレポートを提出すべきです。

患者さんからの自覚症状を聴取して、『重篤副作用疾患別対応マニュアル』と照らし合わせてください。
そして、薬の副作用であるかどうか自分の考えをレポートに記載します。

重篤な副作用でなく、副作用の可能性が低いとしても、患者さんが不安に感じているなら情報提供しましょう。

用法変更の提案

患者さんのコンプライアンスをあげるために用法変更の提案をしましょう。

  • 夕食後の薬⇒寝る前にまとめる
  • 朝食後と夕食後の薬⇒夕食後だけにまとめる
  • 食前と食後の薬⇒食前にまとめる

などの提案が考えられます。

用法の提案は単純ですが、意外と患者さんから感謝されるので、ぜひやってみてください。

用量変更の提案

患者さんから聴取したことから、用量に問題があると判断できるなら用量の提案をしましょう。

  • 効果がしっかり出ていない
  • 副作用が考えられる
  • 調節服用で毎回薬が余る

などのときに用量変更の提案ができると思います。

降圧剤や糖尿病薬などの用量を医師に提案するのはハードルが高いかもしれません。
なので、消化剤や便秘の薬が提案しやすいかなと思います。

また、添付文書で決められた量と異なる時も提案しやすいでしょう。
例えば、通常であれば分2の薬を分1で飲んでいて、効果がはっきり出ていないなどです。

お薬代を安くする提案

患者さんからお薬代が高いという訴えがあった場合、他の安い薬を提案するとよいでしょう。

下記が具体例です。

  • 後発品のない先発品を服用している
    (同効薬でジェネリックのある薬を提案)
  • 後発品変更不可のサインがついている
    (ジェネリックの変更の許可をお願いする)
  • 合剤のある薬だがそれぞれの薬を服用している
    (安くなるなら配合剤の提案)

後発品をあまりよくないと思っている医師でも患者の希望があれば、ジェネリック OK となりやすいです。

また、少しでもお薬代を安くしたいと言う人には一包化指示をなくしてもらう提案もありです。

ただし、注意点がひとつあって、金銭的な理由だけでトレーシングレポートを提出しても個別指導で『算定できない』と指導をうける可能性があることです。

『金銭的理由によりコンプライアンスが低下して服薬状況に問題が生じる』と報告すべきでしょう。

残薬調整の提案

飲み忘れや調節などの理由で残薬があるなら残薬調整の提案をしましょう。
この提案が一番楽でやりやすいと思います。

注意点としては、本来、残薬の確認は受付時に行うということです。

そのため、個別指導で『なぜ疑義照会せずにトレーシングレポートを出したのか?』という質問に答えられるようにしきましょう。

  • 投薬後あとから残薬が判明した
  • 疑義照会に時間がかかり患者さんがお急ぎだった

こういった理由も薬歴に残しておくのが無難です。

薬の効果発現の報告

患者さんからの話で、薬が期待した効果をあげていないようなら情報提供すべきです。

  • 睡眠薬
  • 便秘薬
  • 降圧剤

こういった薬は効果の確認がしやすいかと思います。
以下のポイントを押さえましょう。

睡眠薬

入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害どのタイプに当てはまるか聞いて、薬があっているかをチェックします。あっていても効果が現れていないなら、そのことを報告すべきです。

便秘薬

現在、便秘薬は多くの種類があります。下痢になってないか、腹痛はないか、効果が弱まっていないかなどをチェックします。

降圧剤

降圧剤に関しては、病院での血圧より、家での血圧を重視して高い状態が多いなら情報提供しましょう。 ただし、あまりにも血圧が高い場合は、すぐに受診が必要です。

別の薬を提案できると立派ですが、効果を報告し、『検討していただけると幸いです。』と締めくくってもよいでしょう。

薬の変更の提案

服用する錠剤が多い、薬が飲みにくいなどそういった悩みがある場合は他の薬の提案ができます。

例えば、

  • 100㎎錠の2錠を200㎎錠1錠にして錠数を減らす
  • 錠剤が飲みにくいなら粉薬に変える
  • 内服の薬を外用に変える

などがあります。

まったく別の薬への変更の提案はハードルが高いと思います。
でも、上記のような変更であれば、医師も納得してくれるでしょう。

検査値の報告

医師が知らない検査値を報告するのもよいでしょう。

  • 肝臓の値
  • 腎臓の値

これらが、薬を減量する境界に近くなってきた場合、用量の検討をお願いをするとよいです。

eGFRやCcrなどを計算して結果を報告できると、すばらしいです。

以上になります。最後まで読んでいただいてありがとうございました。