インフルエンザの治療薬を薬剤師がわかりやすく説明

イナビルが処方されると薬局は大混雑します。

この記事では、インフルエンザの治療薬について出来るだけわかりやすく説明します。

まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。

※この記事は1度の服用ですんでしまうゾフルーザが発売される前に書いた記事です。

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漫画~インフルエンザの治療薬~

インフルエンザ治療薬1インフルエンザ治療薬2インフルエンザ治療薬3インフルエンザ治療薬4インフルエンザ治療薬5

以上が漫画になります。

もう少し詳しく知りたい方は、下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
よければご覧ください。

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インフルエンザの概要


毎年冬になると大流行するインフルエンザ。
インフルエンザにかかると高熱がでて約1週間は仕事、学校を休む必要があります。

インフルエンザにかかると必ず処方されるのが抗ウイルス薬です。
インフルエンザウイルスを退治する薬です。

このインフルエンザの治療薬は、5種類あります。
インフルエンザの薬はいずれもインフルエンザウイルスを退治する薬というよりは、ウイルスの増殖を抑える薬と言ったほうが正確です。

つまり、体の中で増えてしまったウイルスをやっつけることはできないのです。
そのためインフルエンザの薬は発症してから(症状が出てから)48時間以内に服用しないと十分な効果が得られません。

症状がでたら早めに受診して、薬を早めに服用しましょう。

ラニナミビル(商品名:イナビル)


今現在、一番使われているインフルエンザ治療薬がこのイナビルになります。
A型とB型インフルエンザウイルスに効果があります。

このイナビルという薬は、吸入薬になります。
この薬は、何日も吸入する必要がなく、処方された日に1度だけ吸入すれば、それでおしまいという薬です。

10歳以上の人にはイナビルが2本処方されるでしょう。
そして、1本につき4回吸入する必要があります。
つまり10歳以上の人は8回吸入する必要があります。

8回と言われると多いように感じますが、その日に服薬が終了してしまうのでお手軽です。
10歳未満の子供に対してはイナビルが1本処方されます。

自分の力で吸入する必要があるため、赤ちゃんや、吸い込みがまだ上手ではない幼児などに対してはイナビルは処方されずタミフルが処方されるでしょう。

またイナビルは吸入後、気管支れん縮や呼吸困難があらわれることがまれにあるので、気管支喘息などの呼吸器系の疾患がある人は特に注意して症状がでたらすぐに病院に行きましょう。

イナビル吸入後はうがい、飲食をしてもらっても問題ありません。
イナビルには卵の成分は入っていないですが、乳糖が含まれています。

乳製品のアレルギーがある人にイナビルが禁忌というわけではありませんがアナフィラキシーの注意が必要です。

オセルタミビル(商品名:タミフル)


次によく処方があるのはタミフルになります。
A型とB型インフルエンザウイルスに効果があります。

この薬は、知っている人も多いのではないでしょうか。
以前、タミフルは異常行動 がニュースになって騒がれていました。

10代の子供に異常行動が起きると親が子供をしっかり抑止できないこともあり、タミフルは10代の人には原則的には使用しないことになっています。

しかし、現在厚生労働省の見解としてはタミフルの服用による異常行動は因果関係が不明であり、異常行動はタミフル服用の有無ではなくインフルエンザウイルスによって引き起こされるという結論になっています。

そのためタミフルを服用するときに異常行動に気をつけるのではなく、インフルエンザウイルスにかかった場合は、なんの薬を飲むかに関わらず異常行動に気をつける必要があるということです。

異常行動は20歳未満の子供に起きるため、親は注意しておく必要があります。

タミフルはカプセルと粉薬があります。
いずれも1日2回服用し5日間飲みきる必要があります。

また処方された日の飲み方は、まず帰ったらすぐに服用しましょう。
そして4時間以上間隔をあけてもう一度服用します。

子供が服用する場合で、もう就寝してしまっている場合は無理に起こす必要はありません。

タミフルドライシロップというのが粉薬の名前になります。
タミフルドライシロップは薬特有の味がして嫌がるお子さんもいると思います。

お勧めの飲み方は、イチゴ味のヨーグルトやチョコアイス、服薬ゼリー、ココア、オレンジジュース、スポーツドリンクです。
混ぜると味が改善されます。

逆に、乳酸菌飲料、バニラアイス、りんごジュースは苦味が増すので控えましょう。
個人的にはチョコアイスでつつんでしまえば、完全に味がマスクされるのでお勧めです。

ペラミビル(商品名:ラピアクタ)


ラピアクタは、A型、B型インフルエンザウイルスに効果があります。

点滴薬で15分~30分ほどで終わります。使用数はそこまで多くないと思いますが、吸入や内服が難しいほど、症状がひどいときなどに使用されることがあります。

解熱がほかの薬と比べると早くなるようですが、数時間ほどの差なので、全員が点滴をしたほうがいいと言えるほどの薬ではありません。

ザナミビル(商品名:リレンザ)


イナビルが発売される前までは、タミフルについで使用されていた薬ではないでしょうか。
リレンザは吸入の薬です。

しかし、イナビルと違って1度の吸入では終了しません。
タミフルと同じで5日間しっかり吸入する必要があります。

現在、リレンザが使用されることはほとんどないです。

アマンタジン(商品名:シンメトレル)


シンメトレルという薬はもともとパーキンソン病の薬 として発売されました。
しかし、A型インフルエンザウイルスに効果があることがわかって、タミフルやリレンザが登場する前に使用されていた薬です。

現在、インフルエンザの薬として処方されることはまずないでしょう。
僕はまだインフルエンザにシンメトレルが処方されているのを見たことがありません。

尾木ママ出演のラピアクタのCMが中止?


少し前のことですが、尾木ママが出演していたインフルエンザのCMを覚えている方はいませんか?
インフルエンザの早期治療に関するCMです。

その中で尾木ママが、「そうそう、今はお医者さんで治す点滴薬もあるのよ。」と言っていました。
病院で処方される薬はCMで宣伝することができません。

そのため、こうやって間接的にラピアクタを宣伝するCMを流していたのです。

点滴を行うには、手間がかかります 。
医師や看護師が針を刺して点滴をしている間、何が起きても対応できるようにしておかなければいけません。

つまり、「冬の忙しい季節に、さらに医療機関を混乱させるようなCMをするんじゃない!」と医師たちの逆鱗に触れたわけです。

このCMは相当の苦情があったようで、途中でCMが打ち切りになっていました。

薬局泣かせのイナビル


吸入薬のイナビルは、初めて使用する人にとっては操作が若干むずかしく、高齢者や小さい子供に吸入させるには、医師や薬剤師の指導が必要でしょう。

そのため、医師が処方せんを発行する際、患者さんに「薬局でイナビルを吸って帰ってくださいね」と指導する場合があります。
これが薬局の冬の大混雑を引き起こします。

イナビルの吸入はタミフルやリレンザと違って、毎日薬を服用する必要がなく、1度の吸入で済むのですが、その1度で吸入を8回(10歳未満は4回)行う必要があります。
そのため、薬局の窓口で吸入させようとすると相当の時間がかかってしまいます。

しかも、この吸入剤は、少し苦いです。
そのため子供に吸入させようとすると嫌がる子が必ずいます。

嫌がるというか泣き出してしまう子もいます。
薬剤師は嫌がったり泣いたりする子をなだめながら、イナビルを吸入させています。

こういった事情で、冬の薬局は混雑しています。
毎年僕は、「イナビルよりももっと服用が楽なインフルエンザの薬が開発されないかな」と願っております。

以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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