医者と薬剤師の違い(開業内科医と勤務薬剤師でわかりやすく比較)

医者と薬剤師の違い(開業内科医と勤務薬剤師でわかりやすく比較)

現役高校生

「将来何になろう?医療関係がいいんだけど医者と薬剤師って何が違うんだろう?誰か教えてくれないかな。」

その疑問に答えます。

僕は薬剤師歴が10年以上あります。

管理薬剤師は5年ほどやらせてもらってます。

この記事では医者と薬剤師の違いについて書きました。

医者と薬剤師どちらにするべきか悩んでいる高校生。

また薬学部に入ったものの医学部への編入を悩んでいる人向けです。

この記事を読めば医者と薬剤師の違いをよく理解して進路を選択することができるでしょう。

ぜひご覧ください。

※前置き

医者といってもさまざまな医者がいます。

内科医、小児科医、眼科医、皮膚科などです。

薬剤師もさまざま場所で働くことができます。

例えば、調剤薬局、病院、製薬会社などです。

今回は開業している内科医調剤薬局に勤める薬剤師を比較して書いてあります。

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仕事内容の違い

まず医者と薬剤師の仕事内容の違いについてです。

医者は患者さんの病状の訴えに対して、診察し診断し治療、投薬を行います。

場合によっては、患者さんが服用すべき薬を考えて処方せんを書きます。

薬剤師は、病院から発行された処方箋を持った患者さんが調剤薬局に来ることから始まります。

処方箋を受け取った薬剤師は、処方箋に基づいて調剤を行い監査をして投薬します。

医者も薬剤師も投薬を行いますが、両者の意味はまったく違います。

薬局における投薬とは、服薬指導(薬の説明と注意点の説明)のことです。

病院における投薬とは、薬を投与することを意味します。

医者と薬剤師の仕事内容の何が違うかというと、

医者は主に患者さんと向き合っているのに対して、

薬剤師は主に薬と向き合っている

ということです。

医者は、

患者さんはどんな状態か?

血圧は?

呼吸は?

心音は?

など患者さんと向き合います。

薬剤師は、

調剤した薬があっているか?

数があっているか?

用法用量はあっているか?

など薬と向き合います。

確かに、薬剤師も投薬という形で患者と向き合う時間はあります。

でも、医者と比べると患者さんと向き合う時間ははるかに少ないです。

薬剤師の働く時間のほとんどは調剤か監査に割かれます。

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仕事のやりがいの違い

仕事のやりがいの違い

次は、医者と薬剤師の仕事のやりがいの違いについて説明します。

仕事のやりがいを感じるのは、やはり人の役に立った時ではないでしょうか。

病院や薬局では、患者さんの役に立った時です。

このことを踏まえて考えると、医者と薬剤師では、仕事のやりがい度に関して圧倒的に医者の方が高いでしょう。

仕事内容のところで説明しましたが、医者の仕事は主に患者さんと向き合うことです。

患者さんの目の前で患者さんのために仕事をしています。

そのため、医者は患者さんからとても感謝されやすい立場にあります。

僕が勤務する薬局前の病院の医者は多くの患者さんから感謝されています。

薬局で患者さんから話を聞くときも、患者さんが先生に対し感謝の念を抱いているケースが多いです。

一方、薬剤師の仕事は主に薬と向き合うことです。

薬剤師は、薬を用意するだけでなく、患者さんの見えない場所で処方の内容や併用薬との相互作用をチェックしたりしています。

例えば、併用がまずい薬を発見したとします。

そのとき薬剤師は、疑義照会をして安全な薬に変えてもらいます。

そして、患者さんに薬を渡します。

薬剤師は、患者さんを守ったことになりますが、患者さんはそのことを知りません。

薬剤師が仕事をしている間、患者さんは雑誌を読んだり、テレビを見たり、スマホをいじっています。

薬剤師の仕事は、患者さんからはあまり認識されていないのです。

ときに世間から、薬剤師は不要な職業であると思われたり、ただ袋詰めする人と思われることもあります。

こういった理由で薬剤師は患者さんから感謝されにくい立場にあります。

「投薬時に、疑義照会をしたことを患者さんに話して薬剤師の仕事をアピールしましょう」と会社に言われたことがありました。

でもわざわざ、「さきほど疑義照会をして併用のまずい薬を変えてもらいました」と話す薬剤師は少ないでしょう。

なんか自慢しているみたいですし、患者さんも「あ・・・そうですか・・・」て感じになりますもんね。

また、知り合いの薬剤師は、処方元の医者から

「疑義照会したことを患者さんに話すな!」

と言われています。

なぜだと思いますか?

医者の信用が落ちてしまうからです。

危険な薬を医者が処方したと患者さんが知ったら、医者のことを信頼できなくなってしまうのです。

こういうケースもあるため、わざわざ薬剤師のやっていることを患者さんに話すことはありません。

少し話が脱線しました。

とにかく、医者はとてもやりがいがあって、それと比べると薬剤師はあまりやりがいがないということです。

給料の違い

給料の違い

次は医者と薬剤師の給料の違いについてです。

内科で開業すると医者の平均年収は2500万ほどと言われてます。

医学部に入った僕の友人は20代の頃からすでに勤務医で1200万と言っていました。

薬剤師の平均年収は585.6万です。

僕のデータを公開すると調剤薬局1年目450万ほど。

10年後の現在は管理薬剤師をやって700万ほどです。

薬剤師の年収は一般的にはいいかもしれませんが、やはり医者にはかないませんね。

責任の違い

責任の違い

次は医者と薬剤師の責任の違いについてです。

医者にはさまざまな責任があります。

その中で重要なものが、誤診です。

誤診というのは、医者が患者の診断をあやまることです。

例えば、背中に痛みがある患者に対して、ただの打撲と診断し、本当は心筋梗塞だったとき、誤診となります。

最近の有名な誤診では、腹痛を訴えた患者に対し急性胃腸炎と診断し患者さんが死亡してしまったという事件があります。

薬剤師にもはいろんな責任があります。

その中で重要なものが、調剤過誤です。

調剤過誤というのは、医者が書いた処方箋に書かれた薬と異なる薬を患者さんに渡してしまうを言います。

調剤過誤が起きて、患者さんに健康被害が生じたときは調剤事故と呼ばれます。

最近の有名な調剤事故ではマグミットをウブレチドで調剤し、患者さんが亡くなってしまった事件があります。

こういった誤診や調剤事故が起こると、場合によっては患者さんから訴えられる場合もあります。

医者も薬剤師も、患者さんの命にかかわる重要な仕事です。

責任の重さはどちらも大変重いということです。

ただどちらかといえば、医者の方が責任は重大ではないかと思います。

患者の症状からあらゆる可能性を考える必要があるからです。

単なる頭痛一つとってもさまざまな原因があります。

一方、薬剤師は、お薬を正しくお渡しし、併用薬をチェックするという仕事を基本としているので、医者ほど仕事内容は難しくありません。

薬剤師による調剤事故を引き起こす頻度は、医者が誤診を引き起こす頻度と比べ、低いのではないかと思います。

ニュースを見ていても医者が訴えられるケースは多い印象ですが、薬剤師、しかも調剤薬局の薬剤師が訴えられるケースは少ないように感じます。

医者と薬剤師はどちらも責任は重大ですが、現役の薬剤師が思うには、医者の方がより責任は重いと感じています。

プライベートの違い

プライベートの違い

プライベートの充実度は圧倒的に薬剤師が高いでしょう。

僕は薬局の管理者である管理薬剤師をしています。

僕の勤務時間は週に40時間です。

残業時間は月10時間ほど。

仕事が終わればあとは自分の好きな時間を過ごすことができます。

医者の勤務時間は病院の診察時間になります。

僕の勤務する薬局前の病院の診察時間は平日が8時間30分、土曜日が4時間30分です。

つまり週に47時間です。

薬局前の病院の医者は、診察時間以外はカルテの整理をしたり、問題となっている患者さんの治療方針を考えたりしていると言っていました。

夜は早く寝てしまうようで、朝は5時くらいから診察室でなにかしら仕事をしていると教えてくれました。

こういうことを考えると、週の勤務時間は軽く60時間は超えてしまうと思います。

なので、プライベートが充実しているのは薬剤師になるでしょう。

※ただ、僕の薬局前の医者は、「患者さんのために働くのが趣味」みたいなところがあります。こういう考えなら医者は最高に充実しているともいえるでしょう。

家族との付き合いの違い

家族との付き合いの違い

医者は、薬剤師と比べると圧倒的に家族と過ごす時間が短いです。

僕の周りの医者は、祝日や日曜日であるにもかかわらず病院に行ったりすることもあります。

また在宅をやっている医者は、24時間365日、患者の急変に対応する必要があります。

そのため、アルコールは飲まないですし、県外にでることもありません。

患者と向き合っている分、家族と向き合っている時間が短くなってしまうのです。

そのため、子供が小さい時、医者の妻はかなり大変な思いをするかもしれません。

専業主婦で日曜日なども1人で子供の世話をする必要があります。

こういった理由で、医者は家族の満足度は低くなるでしょう。

しかし、医者の場合、子供が大きくなってから家族の満足度が高くなっていきます。

成長した子供が、医者である父の姿を見て尊敬し始めるのです。

父の患者さんのために働いている姿が子供に影響を及ぼします。

その結果、子供も父のようになりたい。医者になりたいと思うようになります。

親戚に高校生の男の子がいます。

父親は医者です。

その子は、

「父は子供の頃あまり遊んでくれなかった。寂しい思いもした。でも、その理由が、患者さんのために走り回っていたからだと大きくなってから知った。そのときから父を尊敬するようになった。僕も父のような医者になりたい。」

と話していました。

子供が成長したころの医者の家計はかなり余裕があるはずです。老後の心配など一切なく、妻も満足に、家族みんなが幸せに暮らすことが出来るのです。

一方、薬剤師であれば、通常の勤務時間であるため休みの日は家族と向き合えます。

そのため、妻や子供の満足度は高いでしょう。

しかし、人にもよると思いますが、薬剤師は、なかなかプライベートを犠牲にしてまで患者のために働こうと言う人はいません。

ここらへんは、自分が開業しているか、ただ雇われているかの違いともいえます。

薬剤師である父の姿が、子供にいい影響を与えるというケースは少ないのではないかなと思います。

また、仕事のやりがいが医者と比べると少ないことから、薬剤師は自分の子供に薬剤師という職業をすすめません。

僕も、息子に薬剤師はすすめません。

もっとやりがいのある仕事についてほしいと思っています。

でも、もし子供が「薬剤師になりたい」と言ったら、薬剤師の現状をはなしてあげようと思います。

家計についても、医者と比べると家計の余裕はあまりありません。

薬局前の病院の医者の子供はみんな医学部に行きました。

私立医学部です。

そんな、余裕は薬剤師にはありません。

薬剤師の家族は、老後を安心することは出来ません。

そのため僕の妻は、パートにでています。

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まとめ

以上、長い説明になってしまいました。

わかりやすくまとめてみると以下の通りです。

医者 薬剤師
仕事内容 患者中心 薬中心
仕事やりがい
給料
責任 重い やや重い
プライベート ×
家族満足度 ×のち◎

本気で他人のために、自分を犠牲にして生きていけるのなら医者を選ぶべきです。

仕事とプライベートをそれなりに充実させるのであれば薬剤師を選ぶべきです。

注意してほしいのは、給料がいいから医者を選択することです。

これは、やめてほしいです。

なぜなら、こういった動機だけでは、医者の激務に耐えることはできないでしょう。

20代の頃、僕は薬剤師じゃなくて医者になればよかったと後悔していました。

医者は、給料もよく地位も高いからです。

でも結婚して、子供が生まれてくると時間の融通が利く薬剤師でよかったと思うようになりました。

僕の会社は有給がとても取りやすいです。

なので、子供の運動会や発表会などほぼすべて参加できています。

家族との思い出がかなりたくさんあって満足しています。

しかし、もっと年を重ねるとどうなのでしょうか?

もしかするとやっぱり医者が良かったと思うようになるのでしょうか?

ここらへんは、子供がもっと成長してからわかることなのでしょう。

迷っている方の少しでも参考になれば幸いです。

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