ジョルトサイン(jolt sign)とは?
ジョルトサインとは、出血や感染によって髄膜内が刺激されたときに起きる症状(髄膜刺激症状)のうちの一つです。
head jolt signまたはjolt accentuation of headacheとも言います。
髄膜とは脳と脊髄を覆っている組織です。
髄膜は、内側から軟膜、くも膜、硬膜で成り立っています。
髄膜の中は脳脊髄液で満たされており脳や脊髄を守っています。
- jolt「急激に揺さぶる」
- accentuation「引き立たせること、強調」
- headache「頭痛」
の意味があります。
つまり、「急激な揺さぶりによって頭痛が強調される」ということです。
頭痛患者に対して、ジョルトサインがあるかどうかを判定し、重大な病気が原因かどうかを見極めるための指標とします。
ジョルトサインの見方
子供がよくするイヤイヤの首ふりを患者自身に行ってもらいます。
1秒間に2,3回左右に首を振ります。
頭痛が強くなるならジョルトサインあり(陽性)となります。
ジョルトサインがあると何が疑われるか?
ジョルトサインがあると、くも膜下出血か髄膜炎、そのほか単純ヘルペス脳炎、日本脳炎などを疑います。
くも膜下出血は、脳動脈からの出血によってくも膜の下に血が溜まって髄膜を刺激します。
髄膜炎は、髄膜の中に細菌などが入り込み髄膜を刺激します。
ジョルトサインは、脳腫瘍や片頭痛のときも認められることがあります。
そのため他の症状があるかどうかも確認する必要があります。
具体的には、くも膜下出血であれば突然の激しい痛み、
髄膜炎であれば発熱、意識障害 などです。
髄膜刺激症状
髄膜刺激症状は、この記事で説明したジョルトサイン以外に、
- 項部硬直(neck stiffness)
- ブルジンスキー徴候(Brudzinski’s sign)
- ケルニッヒ徴候(Kernig’s sign)
- ネックフレクションテスト(neck flextion test)
があります。
コメント
髄膜刺激症状の中で、このジョルトサインが一番確認しやすい症状です。
薬剤師でも知っておけば患者の命を助けられるかもしれません。
ぜひ参考にしてください。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。