この記事では、インフルエンザ脳症について説明します。
まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。
この記事の内容
漫画~インフルエンザ脳症とは?~
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方は、下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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インフルエンザ脳症とは?
インフルエンザ脳症とは、インフルエンザウイルスにかかり、意識障害が起きている状態をいいます。
しかし、意識障害でも、熱性けいれんや熱せん妄である可能性もあります。
インフルエンザ脳症の診断は難しいとされています。
インフルエンザ脳症はどんな人に起きやすいか?
主に1歳~5歳の子供に見られ、男女の差はありません。
高齢者に起きることもあります。
また、流行するインフルエンザウイルスの型によっては、起きやすい年齢も異なってきます。
インフルエンザ脳症の予後は?
死亡率が10%未満、後遺症が残るのは25%ほどあります。
後遺症としては、身体障害(四肢麻痺、片麻痺、両麻痺)、精神障害(知的障害、てんかん、高次機能障害)などがあります。
インフルエンザ脳症の発症原因は?
インフルエンザ脳炎と呼ばれる疾患もあります。
これはインフルエンザウイルスが直接脳に炎症を起こしている状態です。
インフルエンザ脳症とは異なります。
インフルエンザ脳症の方が重篤な状態です。
インフルエンザ脳症の原因ははっきりとはわかっていません。
しかし、インフルエンザ脳症はインフルエンザウイルスが直接脳にダメージを与えているわけではありません。
インフルエンザ脳症患者の脳内にインフルエンザウイルスは検出されません。
サイトカインという物質が関係しているようです。
サイトカインというのは、免疫にかかわる物質であり免疫細胞の情報伝達を担うたんぱく質です。
インフルエンザにかかるとこのサイトカインが過剰に産生されて脳にダメージを与えるようです。
この状態を高サイトカイン脳症と言います。
また、はっきりしたことはわかっていませんが、A型インフルエンザウイルスで起きやすいこと、遺伝や人種も関係しているのではないかと推測されています。
インフルエンザ脳症の症状は?
高熱がでてから1,2日以内(8割は1日以内)に意識障害、痙攣、異常行動・言動があらわれます。
さらに症状が進むと、血管がつまったり、多臓器不全を起こし、死亡することもあります。
意識障害
意識障害というのは具体的には、「呼びかけても反応がない又は鈍い」、「目線が合わない」、「痛みを与えても反応しない」などをいいます。
意識障害は、インフルエンザ脳症のほぼ全例に認められます。
痙攣
痙攣は、ただの熱性痙攣である場合もあり判断が難しい症状です。
熱性痙攣は5分以内であることがほとんどです。
多くは2,3分でおさまります。
痙攣の仕方も左右対称であり、繰り返しません。
けいれんの後に、意識障害が起きない、また異常行動・言動を伴わないなら、その時点では、インフルエンザ脳症の可能性は低いです。
反対に、
- 痙攣の時間が長い(15分以上)
- 痙攣を繰り返し、起こす
- 痙攣の仕方が左右対称ではない
こういった場合、意識障害の有無にかかわらず、インフルエンザ脳症の可能性があります。
痙攣を起こすとびっくりして何もできなくなってしまいます。
しかし、どのような痙攣だったか(持続時間、繰り返すか、左右対称か)を医師に伝えられるように観察しておくことが大事です。
異常行動・言動
異常行動・言動は熱せん妄 (熱による異常行動・言動で危険性の低いもの)の可能性もあり判断が難しいです。
ただ、異常行動・言動が一時間(あくまで目安)以上続いたり、意識障害を伴う場合は脳症の可能性があります。
異常言動・行動の具体例としては、
- 両親がわからない、いない人、アニメのキャラクターが見えると言う
- 食べ物と食べ物でないものの区別ができない
- 突然怒り出す、泣き出す、歌いだす
- うわごとをいう、筋道の通った話ができない
- 異常に怖がる
などがあります。
インフルエンザ脳症が疑われるときどうすればいい?
すぐに病院に行く・救急車を呼ぶ
インフルエンザ脳症の予後は悪いため、早急に治療を受ける必要があります。
すぐに病院に行くか、救急車を呼びましょう。
服用中の薬を把握しておく
早急に適切な治療を受けることができるようにするためにも、服用中の薬は把握しておきましょう。
インフルエンザの際に処方された薬が何か、解熱剤はいつ、どれくらい服用したか、普段服用している薬は何かなどです。
お薬手帳を活用したり、薬局でもらう薬の説明書を使用しましょう。
目を離さない
異常行動で事故が起きないようにするためにも、子供から目を離してはいけません。
痙攣の状態を把握する
痙攣が起きた場合は、医師に痙攣の状態を正しく説明できるように、どのような痙攣だったのかを把握しておきましょう。
具体的には痙攣の持続時間、左右対称か、繰り返すか、です。
体温を下げる
体温が高すぎる(40度以上)場合は、解熱剤を使用しましょう。
ここで注意してほしいのは、アセトアミノフェン以外の解熱剤を使用しない事です。
ライ症候群と呼ばれる別の脳症が起きたり、インフルエンザ脳症の予後が悪くなる可能性があります。
解熱剤の使用の間隔は5,6時間です。
また、着ている服を薄着にして、氷などを使って頭や、わきの下などに置くのも良いでしょう。
インフルエンザ脳症にならないために
インフルエンザ脳症にならない為には、そもそもインフルエンザにかからないことが大事です。
手洗い、うがいをしっかり行い、咳エチケットを守りましょう。
また、インフルエンザの流行期は人込み、特に映画館などの密閉空間に行くのは避けた方が良いでしょう。
そして、飛沫感染を防止するためにも、マスクをつけましょう。
また、予防接種を受ければ、インフルエンザが重症になることを防ぐことができます。
インフルエンザになってしまったら、早めに受診して薬を服用しましょう。
発症後48時間以内に服用しないと、薬の効果が弱まってしまいます。
オーバーな対応を
インフルエンザ脳症の診断は難しく、ただの熱性痙攣である場合もあれば、熱せん妄である場合もあります。
しかし、少しでも気になる症状があれば、夜間でもすぐに病院に行ったり、救急車を呼ぶべきです。
インフルエンザ脳症の予後が悪いことを考えれば、早期発見、早期治療をめざし、早めに行動して非難されることはないでしょう。
オーバーリアクションするくらいがちょうどいいのではないでしょうか。
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薬局で聞いた異常行動・言動
薬局でも異常行動・言動があったと親から聞くことがたまにあります。
僕が、聞いたことがあるのは階段から飛び降りようとした、突然家の中で走り出した、突然大声をあげたなどです。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。