この記事では、単純疱疹と帯状疱疹の共通点と異なる点について分かりやすく説明します。
簡単に理解できるように下手ですが漫画もつけました。
まずはこちらをご覧ください。
漫画~ヘルペスと帯状疱疹~
ヘルペスと帯状疱疹の違いについて漫画で簡単に説明しました。
1型の単純ヘルペスは顔にできやすいですが、帯状疱疹は顔にできることもあるので注意が必要です。
もう少し詳しく知りたい方は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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ヘルペスウイルス
ヘルペスは英語で「Herpes」と書いて、「疱疹(ほうしん)」を意味します。
疱疹というのは、小さい水ぶくれを意味します。
日常会話でヘルペスと言うと、口唇ヘルペスや性器ヘルペスを意味します。
口唇ヘルペスや性器ヘルペスをあわして単純疱疹と言います。
単純疱疹と帯状疱疹の原因は、ヘルペスウイルスです。
ヘルペスウイルスは約160種類ほど存在し、その中でも、人間に感染するのは8種類と言われています。
さらにその中でも、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が有名です。
単純ヘルペスウイルス1型によって引き起こされるのは、口唇ヘルペスで、単純ヘルペスウイルス2型によって引き起こされるのは、性器ヘルペスです。
水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされるのが、帯状疱疹です。
いずれもヘルペスウイルスであり共通点があるものの、異なる点もあります。
共通点
ウイルス
いずれもヘルペスウイルスです。
初感染
子供のころに初めて感染する場合が多く、体の中に一生住みつきます。
再活性化
風邪、疲労、胃腸炎、紫外線などで免疫力が低下すると、ウイルスが再活性化して発症します。
症状の出方
症状の出方が似ています。
いずれもピリピリ、チクチクした痛み・かゆみがでて、赤い発疹となって水ぶくれができてきます。
その後、かさぶたになって治っていきます。
感染
症状が出ている場所にウイルスが存在するため、接触感染してうつります。
治療
治療に抗ウイルス薬を使用します。
また、どちらも早期に発見して治療を開始する必要があります。
異なる点
初感染時の症状
いずれも子供のころに感染しますが、その時の症状の出方が異なります。
単純ヘルペスウイルスは、多くは無症状か熱が出ます。
水痘・帯状疱疹ウイルスは、水疱瘡になります。
症状の出やすい場所
単純ヘルペスウイルス1型は、症状が顔、口唇、歯肉にでやすく、単純ヘルペスウイルス2型は下半身つまり性器やおしりに症状がでやすいです。
帯状疱疹は、胸や背中やお腹にできやすいです。
発疹
発疹の大きさは、単純疱疹は、同じです。
帯状疱疹は大小さまざまです。また発疹はその名前の通り、帯状(おびじょう)になります。
痛みの強さ
単純疱疹の痛みが強くないです。
帯状疱疹の痛みは強いです。
服が擦れるだけで痛いときもあります。
治った後
単純疱疹は皮膚がきれいになれば、痛みもなくなります。
帯状疱疹は、帯状疱疹後神経痛と言って痛みだけが残る場合があります。
再発
単純疱疹は再発しやすいです。
帯状疱疹は、まず再発することはありません。
一生に一度と言われています。
しかし、糖尿病やがんや膠原病などにより免疫力が下がっているとまれに再発することがあります。
薬の量
どちらも抗ウイルス薬を使用しますが、服用する薬の量が異なります。
例えば、抗ウイルス薬のバラシクロビル(商品名:バルトレックス)は単純疱疹であれば1錠を1日2回5日間(合計10錠)服用します。
帯状疱疹なら2錠を1日3回7日間(42錠)服用する必要があります。4.2倍違うということです。
感染力
単純疱疹は感染力が強いです。
性行為 頬ずりでうつることもあります。
また、症状が出た場所を触った手で物を触るとそれを介してうつることがあります。
そのためタオルやグラスなどの共用はさけましょう。
帯状疱疹は感染力が弱いです。
ワクチン
単純疱疹にはワクチンは存在ありません。
帯状疱疹にはワクチンがあります。
帯状疱疹のワクチンは50歳以上であればうけることができます。
なりたくないのは・・・
個人的な単純疱疹と帯状疱疹の違いとして、なりたくないのが帯状疱疹ということです。
その理由は、お金です。
お金の計算をしてみました。
抗ウイルス薬が処方されてそれがバルトレックス(1錠400円)の場合、
単純疱疹のなら、1錠を1日2回5日間服用するため全部で10錠服用します。
すると400円×10錠=4000円かかります。
帯状疱疹のなら2錠を1日3回7日間服用するため全部で42錠服用します。
すると400円×42錠=16800円かかります。
幸いバルトレックスにはジェネリックが発売されています。
様々なメーカーがジェネリックを発売していますがだいたい1錠200円ほどです。
そうすれば、単純疱疹なら2000円、帯状疱疹なら8400円になります。
ジェネリックのありがたさが痛感できますね。
しかし、抗ウイルス薬にファムシクロビル(商品名:ファムビル)という薬が存在します。
ファムビルは1錠500円近くします。
単純疱疹のとき、1錠を1日3回5日間服用するため全部で15錠服用します。
すると500円×15錠=7500円かかります。
帯状疱疹のとき、2錠を1日3回7日間服用するため全部で42錠服用します。
すると500円×42錠=21000円かかります。
帯状疱疹に21000円かかります!
不幸にもこの薬にはジェネリックが存在しません。
この金額はあくまで保険証を使わなかった場合の値段(つまり10割負担)の場合の話ですが、3割負担だったとしても病院の診察代などを入れれば1万円かかってしまうんです!
ただ、ファムビルは2017年12月にジェネリックが発売予定です。
薬の値段はおそらく半額くらいになるでしょう。
帯状疱疹になるなら、ジェネリックが発売されるのを待ってからがいいですね・・・
でも、最近発売された帯状疱疹(単純疱疹の適用はありません)の新薬のアメナメビル(商品名:アメナリーフ)は1錠だいたい1500円近くします。
2錠を1日1回7日間服用するため全部で14錠服用します。すると1500円×14錠=21000円かかります。
ファムビルと同じです。
このアメナリーフは、新薬なのでもちろんジェネリックはありません。
やっぱり帯状疱疹にはなりたくないですね・・・
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。