管理薬剤師はヘルプに行けない【管薬の責務と薬機法7条3項を考える】

引きこもり管理薬剤師
『僕はこの薬局から出られません。
助けてください。』

法律で決まっているので助けられません。

僕は調剤薬局の管理薬剤師を8年ほどやっています。
この記事では、管理薬剤師の他店へのヘルプについて考えてみようと思います。

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管理薬剤師はヘルプに行けない

薬機法7条3項
薬局の管理者は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であつてはならない。

管理薬剤師は他の店舗で薬剤師をやる事を禁止しています。
つまりヘルプに行けないという事です。

理由は、管理薬剤師にはさまざまな責務があり、それをしっかり果たすためでしょう。

管理薬剤師の他店舗勤務に関しては最近ニュースがありましたね。

ファーマみらいに東京都が改善措置命令
東京都は2018年4月9日、医薬品医療機器等法(薬機法)に違反したとして、大手薬局チェーンのファーマみらい(東京都世田谷区)に対して、改善措置命令を行ったと発表した。

調剤薬局は慢性的に人手不足なので、ヘルプに行かざるを得なかったのかもしれません。

管理薬剤師の責務とは?

管理薬剤師の責務を確認してみます。

厚生労働省:管理薬剤師の責務について

  • 従業員の監督
  • 医薬品等の管理
  • 購入者の顔色等を見ながら、購入者の求めている医薬品が、不適当ではないかどうか判断
  • 医薬品を適正に使用するための服薬指導、情報提供を実施
  • 医薬品の購入者ごとに提供すべき情報の範囲を判断
  • 医薬品の購入者から、医薬品副作用の苦情や相談を受付
  • 一般用医薬品で対応できないと判断した場合、医療機関への受診を勧める
  • コミュニケーションを通じ、副作用相談など、購入者のアフターケアを実施
  • 必要な情報が常に入手、活用、提供できる体制を整備
  • 緊急安全性情報等、医薬品の有効性・安全性情報を収集
  • 厚生労働省への副作用情報の報告

結構いろいろありますね。

『これだけ責務があるんだから他のヘルプに行く暇なんてないでしょ』
という事だと思います。

ハーボニーの偽造品のニュースでは、医薬品の管理ができていなかったため、管理薬剤師の変更という命令が下されました。

【奈良県/奈良市】サン薬局に業務停止5日‐初の停止命令、肝炎偽造薬で|薬事日報ウェブサイト

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解禁すべきじゃないの?

管理薬剤師が他店へのヘルプを禁止する法律は昔からあります。
でも、人手不足の日本では、もう時代とあっていない気がします。

薬機法7条3項の全文を読みます。

薬機法7条3項
薬局の管理者は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であつてはならない。ただし、その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。

学校薬剤師や急患センターなどでの勤務で知事の許可を受けた場合は例外です。

また、へき地の薬局の場合、兼務が許される場合もあります。

さらに、薬剤師としてではない仕事、つまり副業に関しても問題ありません。
これがよくわからないところです。

管理薬剤師としての責務を果たさなければならないのであれば、他の場所で何らかの仕事をすること自体を禁止にしても良さそうです。

Twitterでアンケートとってみました。

薬機法7条3項で、管理薬剤師は他の薬局で働くことが禁止されています。

このことをどう思いますか?

当たり前・・・26%

わからない・・・11%

解禁すべき・・・38%

やはり、解禁すべきの声のほうが多いようですね。

管理薬剤師がヘルプに行けるのであれば、

  • ヘルプにいけないスタッフがいても問題ない
  • 距離的な問題で管理薬剤師がヘルプに行った方が都合が良い
  • 有給が取りやすくなる
  • 急な休みに対応できる
  • 他店舗の良いところを吸収できる
  • 他の病院の薬の勉強ができて、その知識を自分の店舗に還元できる

利点がいっぱいありそうです。

とはいえ、反対意見も一定数います。
アンケートでも26%の人は、管理薬剤師が自店にいることを当然と感じています。

  • 管理薬剤師の責務を確実に果たすため
  • 企業努力で人手不足を解消すべき
  • そもそも一人薬剤師だから物理的に無理
  • 地域貢献のためにも責任者が自店にいないのは問題

などが理由でしょうか。

確かにそうですね。
その意見も正しいです。

ただ、このままでは人手不足は解消しないでしょう。
そもそも、管理薬剤師すらやりたがる人もいなくなりそうです。

昔Twitterでこんなアンケートとりました。

管薬、一般薬剤師、契約薬剤師、どれがいいと思いますか?
今後どうすればいいか悩んでいるので教えてください!
僕は将来的には、薬剤師から離れて、ブログやプログラミングでも生きていけるようになりたいと思ってます!

管理薬剤師・・・20%
正社員薬剤師・・・40%
派遣薬剤師・・・40%

残念ながら、管理薬剤師はあまり魅力的ではないようですね。
管理薬剤師を魅力的なものにするためにも、他店のヘルプを解禁してほしいと僕は感じています。

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改正案を考えた

こんな感じで改正案を考えてみました。

改正薬機法7条3項
薬局の管理者は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であつてはならない。ただし、その薬局の責務を果たしていると管理者および開設者が判断した場合は、この限りではない。
改正7条4項
管理者がその他薬事に関する実務に従事したことで、医薬品の適正な供給等に影響が出た場合、その責任を管理者および開設者が負うものとする。

『責任の所在を明らかにした上で、解禁』
こんな感じでどうでしょうか?

薬機法7条3項の規定については、賛成派も反対派もそれぞれ正しい意見を持っていそうです。

経営陣であれば反対派は多いでしょうね。
解禁になれば人手不足を少し解消できますから。

でも、悲しいことに調剤報酬改定で調剤薬局の経営陣が喜ぶような改定は起きそうにないです。
政治力が悲しくなるくらい弱いですから。

てことで、7条3項は今後も続くのかなと僕は思っています。

以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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