この記事では、インフルエンザの合併症について説明します。
インフルエンザはひどくなるとどうなるのでしょうか?
まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。
漫画~インフルエンザがひどくなると・・・~
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方は、下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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肺炎
肺にウイルスや細菌が侵入して炎症を起こすのが肺炎です。
発熱、咳、黄色の痰、呼吸困難、胸の痛み、筋肉痛などの症状がでます。
高齢者に多く、ひどくなってくると、呼吸不全を起こし、死亡することがあります。
インフルエンザによって起きる肺炎には三種類あります。
①ウイルス性肺炎
インフルエンザウイルスによって引き起こされる肺炎です。
頻度は少ないです。
②ウイルス細菌混合性肺炎
インフルエンザにかかっているときに、インフルエンザウイルスとは別の細菌が肺炎を起こすことです。
③二次性細菌性肺炎
インフルエンザが治ってからその数日後に細菌が肺炎を起こすことです。
肺炎を起こしている細菌を退治するために、抗生物質を使用することがあります。
また、肺炎を引き起こす頻度の高い細菌は肺炎球菌です(他には黄色ブドウ球菌やインフルエンザ菌など)。
そのため、肺炎球菌のワクチンをあらかじめうち、予防しておくことも大事です。
インフルエンザ脳症
高熱がでてから1,2日以内に意識障害、痙攣、異常行動・言動があらわれ、さらに症状が進むと多臓器不全を起こし死亡することもあります。
また、命が助かっても身体障害(運動麻痺、嚥下障害、視力・聴力障害)、精神障害(精神遅滞、てんかん)などの後遺症が残ったりすることもあります。
主に1歳~5歳の子供に見られますが、高齢者に起きることもあります。
インフルエンザ脳症の原因ははっきりとはわかっていません。
しかし、インフルエンザ脳症はインフルエンザウイルスが直接脳にダメージを与えているわけではありません。
サイトカインという物質が関係しているようです。
サイトカインというのは、免疫にかかわる物質であり免疫細胞の情報伝達を担うたんぱく質です。
インフルエンザにかかるとこのサイトカインが過剰に産生されて脳にダメージを与えるようです。
意識障害というのは具体的には、
「呼びかけても反応がない又は鈍い」
「目線が合わない」
「痛みを与えても反応しない」
などをいいます。
また、痙攣は、ただの熱性痙攣 である場合もあり判断が難しい症状です。
痙攣を起こすとびっくりして何もできなくなってしまいがちですが、どのような痙攣だったか(持続時間、繰り返すか、左右対称か)を医師に伝えられるように観察しておくことが大事です。
そして異常行動・言動は熱せん妄 (熱による異常行動・言動で危険性の低いもの)の可能性もあり判断が難しいです。
ただ、異常行動・言動が約一時間以上続いたり意識障害を伴う場合は脳症の可能性があります。
ライ症候群
急性脳症の一つで、肝機能障害も引き起こします。
特にアスピリンを服用している小児に起きやすいとされています。
しかし、アスピリンを使用していなくても起きることがありはっきりした原因がわかっていません。
一旦解熱した後3-5日後に起きること多いです。
ライ症候群は水疱瘡の時にも起きることがあります。
死亡したり後遺症を残すことがあります。
ギランバレー症候群
運動神経を障害することで手足に力が入らなくなる病気です。
インフルエンザウイルスに感染してから数日~数週間後に症状が起きてきます。
ひどくなると嚥下困難を起こしたり、肺炎を起こすことがあります。
起きるのは非常にまれです。
熱性けいれん
高熱による痙攣がおきることがあります。
5分以内で収まり、心配のないものである場合がほとんどですが、インフルエンザ脳症の区別が必要でもあります。
中耳炎
インフルエンザウイルスが直接中耳炎を引き起こしたり、鼻水中の細菌が耳に入り込み中耳炎を引き起こすことがあります。
子供に起こりやすいです。
ひどくなってくると、耳が痛くなってきたり、難聴になったりします。
副鼻腔炎
インフルエンザによる鼻水が鼻を詰まらせ、細菌が繁殖してくると副鼻腔炎を起こすことがあります。
クループ
声がかれて、ケンケンとした咳が出る喉頭炎です。
気管支炎、気管支喘息
喘息を持っていると、インフルエンザにかかった時発作が起きることがあります。
喘息を持ってない人でも、気管支炎や喘息を起こしたりすることがあります。
心筋炎
心筋という心臓を動かすための筋肉に炎症が起きる疾患です。
動悸や不整脈や呼吸困難などの症状がでます。
筋炎
両足の筋肉の炎症が起きて歩行が困難になることがあります。
症状は一時的なもので数日で改善します。
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治療をうけなくても・・・
インフルエンザにかかったとき、病院に行って治療を受けなくてもほとんどは、自分の免疫力で1週間もあれば治すことができます。
薬局に出入りしている薬の卸の人は、高熱が出ても、病院に行きません。
病院に行ってインフルエンザだと診断されると会社を休まなくてはならず、仕事ができなくなってしまうからです。
そのため自力でいつも治しています・・・。
しかし、小さい子供や高齢者はインフルエンザにかかった時、症状が重くなりやすく、時には命を落としてしまうこともあるのでしっかり治療を受けたほうがよいでしょう。
薬は症状が出始めてから48時間以内に服用する必要があるため早めに病院に行きましょう。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。