気にする薬剤師
『調剤薬局の薬剤師ってどんな感じ?
良いところ・悪いところが知りたいなぁ』
そんな疑問に答えます。
この記事を書いている僕は、調剤薬局の管理薬剤師を8年ほどやっています。
調剤薬局には10年以上います。
僕の経験談から解説していきます。
調剤薬局の薬剤師の良いところ
調剤薬局の薬剤師の良いところは以下の5つです。
- 休みが取りやすい
- 患者さんとの距離が近い
- 厳しいノルマがない
- 景気に左右されない
- 高度な知識がなくてもやっていける
それぞれ説明します。
休みがとりやすい
調剤薬局の薬剤師は、他の業種と比較すると休みがとりやすいです。
- 休日返上はまずない
- 残業が少ない
- 有給がとりやすい
まだ薬剤師の売り手市場が続いています。
そのため薬剤師が働きやすい、余裕のある勤務をすることができます。
特に5~7月はあまり患者さんが来なくて暇になります。
暇なのでぼーっとしている薬剤師も一部いるでしょう。
そう思って以下の記事も書きました。

薬局によっては、お茶の時間もあります。
僕が働いた薬局では、みんなで持ち寄ったグミを食べていました。
仕事するときはしっかり仕事して、休むときは休むという働き方ができるのが調剤薬局の良いところですね。
患者さんとの距離が近い
調剤薬局は患者さんとの距離が近いのも良いところです。
- 息子の悩みを話してくれるおばさん
- 孫の自慢話をしてくれるおじいちゃん
- 差し入れを持ってきてくれるおばあちゃん
- シールをあげると大喜びしてくれる子供
などなど、薬だけではない患者さんとの付き合いがあります。
かかりつけ薬剤師になると、健康面だけでなく、いろんなことで頼ってくれるのでやりがいを感じます。
厳しいノルマがない
他の業種では、個人に厳しいノルマが課されることがあります。
僕の友達(非薬剤師)は、月のノルマをいつも気にしており、休む暇もないようです。
昼休憩もしっかり取れず消耗しているようでした。
もちろん調剤薬局の薬剤師にもノルマがないわけではありません。
- 年間処方枚数○○枚
- かかりつけ薬剤師同意数△△件
- 後発率××%
こういった目標を各薬局で打ち立てていると思います。
でもこの目標を達成できないからといって、消耗している薬剤師は少ないです。
ノルマを達成できないからと言って、大幅に減給になったりすることもないからです。
この特徴は、店舗数の多い会社ほど顕著です。
- 店舗によって難易度が異なる
- 急性疾患の流行で処方箋枚数は大きく変動する
- 処方元の医師の意向
こういった薬剤師の努力だけではどうすることもできない外部要因があるため個人の評価をしづらいのです。
ちなみに僕は周りのスタッフに店舗目標をほとんど言ってないです。
プレッシャーを与えず、楽しく仕事してほしいのであまり言いません。
こういうゆるい薬局もあるということです。
景気に左右されない
景気に左右されないのも調剤薬局の良いところです。
景気が悪くても風邪・インフルや生活習慣病の患者さんは変わらず受診します。
リーマンショックで日本が大騒ぎしているときがありましたね。
当時の僕は、あまりにも関係なさすぎて、まるで外国での出来事のように感じていました。
高度な知識がなくてもやっていける
意識が高い薬剤師に怒られそうですが、病院と違い、調剤薬局の薬剤師はそこまでレベルの高い知識がなくてもやっていけます。
- まったく勉強していない
- 知識が皆無
- 勉強会に参加しない
こういった薬剤師でもそれなりの給料をもらいながら仕事しています。
もちろん知識が豊富である方がよいです。
将来は高いレベルが要求されていくでしょう。
でも現状はなんとかなります。
自主的にやりたい勉強ができてプレッシャーがないのが調剤薬局の良いところです。
ブランクのある人や、知識に自信のない人はぜひ調剤薬局へどうぞ。
毎日少しずつ勉強を継続すれば、足を引っ張ることはないですよ。
[ad1]
調剤薬局の悪いところ
調剤薬局の悪いところは以下の5つです。
- 繁忙期は忙しすぎる
- ミスが怖い
- まとまった休みが取りづらい
- 在庫管理が大変
- 志の高い人は少ない
それぞれ説明していきます。
繁忙期は忙しすぎる
12月から3月は繁忙期になります。
- 風邪・インフル・花粉症のピーク
- 体調が変わりやすく薬の変更が起きやすい
- 年度末の雑務
いろんな要因が重なり毎日が戦場ですね。
しかも、スタッフがインフルエンザになったら、地獄になります。
忙しい時は本当に忙しいです。
20代、30代なら平気なのでしょうが、40代、50代の薬剤師は体力的にきつくなっていくのではないでしょうか。
ミスが怖い
これは病院でも同じですが、調剤過誤が怖いです。
僕は管理薬剤師ですが、患者さんから電話がかかってくるたび『過誤が起きたのかも・・・』と思いながら電話に出ます。
過誤が起きると、
- クレームになるかも
- 処方医から叱責されるかも
- 命にかかわるかも
といった感じで神経がすり減ります。
特に自動錠剤分包機による過誤は恐ろしいですね。
カセッターに違う薬が入っていると多くの患者に調剤過誤が起こることになります。
土日の休みが難しい
多くの病院は土曜日もやっています。
そのため、ほとんどの調剤薬局も営業する必要があります。
つまり調剤薬局の薬剤師は、平日1日と日曜日の週休2日制となるわけです。
こうなると有給をとらない限り土日で家族と旅行には行けません。
その他、
- 休日当番がある
- GW、お盆、年末年始の休みは短い
- 休みの日でも携帯電話を持つ
こういうことがあります。
休みは取りやすいものの、その休みをまとめてとれないというのが調剤薬局の悪いところです。
携帯電話についてはこちらの記事でまとめたので気になる方はどうぞ。

在庫管理が大変
在庫管理にウンザリしている薬剤師も多いと思います。
僕が管理薬剤師になった8年前、薬局の在庫は700-800品目程度でした。
8年後、現在在庫品目は1200品目になりました。
この原因は、
- 後発品の発売
- 患者希望で先発・後発選べる
- OD錠・規格違いの登場
なとが考えられます。
調剤室内は薬であふれかえって、在庫管理が薬剤師の業務を圧迫しています。
この業務をがんばっても薬剤師のスキルはあがらないですよね。
この悲しい業務が大変なのが調剤薬局の悪いところです。
尊敬できる人が少ない
調剤薬局には尊敬できる人が見当たりません。
これが、一番問題なのではないかと思います。
Twitter上では、すごい薬剤師は見かけるのですが、現場では見当たりません。
『こうなりたいなぁ』
と思えるかっこいい薬剤師が見当たらないのです。
お互い刺激し合って、高みに行けるような環境ではないのが残念です。
良いところの一つに、『高度な知識がなくてもやっていける』と書きましたが、これとリンクするかもしれません。
高度な知識いらない
↓
勉強そんなにしなくていい
↓
遊ぼっぜ〜!
↓
休みが生きがい!
こんな感じかもしれません。
Twitterで見かける尊敬できる薬剤師はどこにいるんでしょうか…
[ad1]
結局、調剤薬局ってどうなの?
以上、よいところと悪いところを説明してきました。
『結局、調剤薬局の薬剤師ってどうなの?』という疑問が出てくると思います。
その質問ですが、僕はおすすめします。
なぜなら、さきほど説明した悪いところは、考え方・やり方で改善できるからです。
- 繁忙期は忙しすぎる
⇒体が慣れるし、忙しい分、閑散期は楽 - ミスが怖い
⇒過誤対策、機器の導入でミスをほぼなくせる、また病院で起きる過誤よりは健康被害おきづらい - まとまった休みが取りづらい
⇒2,3日働いて休日の方が楽、平日の休みの方が外出先が空いている - 在庫管理が大変
⇒長時間の残業するほどではない - 志の高い人は少ない
⇒自分が志を高く持てばいいだけ
こんな感じで、僕は悪いところも良いところだと感じています。
調剤薬局の薬剤師になろうと考えている人は、ここで紹介した良いところと悪いところ把握して就職してください。
大手の転職サイト、マイナビ薬剤師や薬キャリへ無料相談することもできます。
転職に関しては記事にしているので参考にしてください。

以上になります。最後まで読んでいただいてありがとうございました。