この記事では肝臓の機能について説明します。
まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。
漫画~肝臓の機能について~
以上が漫画になります。
もう少し詳しく知りたい方 は、下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。
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肝臓の概要
肝臓は右上腹部、横隔膜の下にある人体で最も大きな臓器で重さ約1-1.5kgほどあります。
大きさは成人だと、幅27センチ、高さ15センチ、奥行き7センチ程です。
幅27センチと聞くとかなり大きい臓器ということがわかるのではないでしょうか。
肝臓では様々な化学反応が行われており、人体の化学工場と言われます。
肝臓の機能は分かっているだけでも500種類以上もの働きがあることが分かっています。
肝臓の機能1.代謝
代謝というのは簡単に言うと、外から取り入れた物質を体の中で利用しやすいものに変換する化学反応のことをいいます。
肝臓ではこの化学反応を通して、外から取り入れた物質を分解、合成、貯蔵します。
外から取り入れた物質というのは、糖質、脂質、タンパク質などです。
糖質
糖質は、小腸に送られるまでにブドウ糖に分解されます。
ブドウ糖はエネルギー源として一番最初に使われる物質です。
このブドウ糖が小腸から門脈を通って肝臓に行くと、ブドウ糖をたくさん結合させたグリコーゲンを合成して肝臓に蓄えます。
肝臓にグリコーゲンとしてたくさんブドウ糖を蓄えておくことで、いざエネルギー不足になったときに、このグリコーゲンを分解しブドウ糖を作り出し、各組織にエネルギーを供給します。
脂質
脂質は、小腸に送られるまでに脂肪酸とグリセロールに分解されます。
そして、肝臓に送られると、コレステロールやリン脂質に変換されます。
コレステロールは細胞膜やホルモンの原料になり、リン脂質は細胞膜の原料になります。
また脂質の一種である中性脂肪は肝臓に蓄えられブドウ糖と同じくエネルギー源となります。
タンパク質
タンパク質は、小腸に送られるまでにアミノ酸に分解されます。
そして肝臓に送られると、アミノ酸を結合させて必要なタンパク質(アルブミンやフィブリノゲンやプロトロンビン)を合成します。
アルブミンは血管内に水分を保持する役割をします。
フィブリノゲンは出血が起きた時に血を固まらせる役割をします。
肝臓の機能2.解毒
肝臓は体内に入ってきた有害物質を解毒する役割があります。
数百種類の有害物質を解毒すると言われていて、代表的なものは、アンモニア、アルコール、薬です。
アンモニア
アンモニアは、タンパク質を分解するとき腸内細菌によって産生されます。
このアンモニアは肝臓で尿素(無害)に分解されて尿として排出されます。
肝臓の機能が落ちてアンモニアが解毒できなくなり、脳にたまると肝性脳症と言われる昏睡状態を引き起こします。
アルコール
アルコールは、肝臓でアセトアルデヒドに分解され酢酸となり最終的に、水と二酸化炭素に分解され血液中に放出されます。
アルコールの飲みすぎで肝臓の解毒作用が追い付かなくなるとアセトアルデヒドが体内にたまり二日酔いや悪酔い を起こします。
薬
多くの薬は肝臓で分解されます。
分解された薬は腎臓へ運ばれ尿として排出されます。
ただし、一部の薬は胆汁と一緒に消化管に排出され便として排出されることもあります。
肝臓の機能が落ちると薬が分解できず薬の効果が強く出る ことがあります。
肝臓の機能3.胆汁分泌
胆汁は、脂肪を消化するために必要な消化液です。
この胆汁を作るのが肝臓です。
胆汁酸やコレステロールやリン脂質を原料として生成します。
生成された胆汁は胆管を通って胆のうに送られますが、この際、肝臓でできた老廃物も一緒になって胆嚢に送られます。
この老廃物には、赤血球が破壊されてできる黄色い色素のビリルビンという物質などがあります。
この肝臓が悪くなってビリルビンがうまく排出されないと黄疸 (皮膚が黄色くなること)がでます。
胆のうにためられた胆汁は脂肪を分解するために十二指腸に分泌されます。
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その他の役割
肝臓のその他の役割を以下にまとめました。
これらはほんの一部です。
- 筋肉痛などを引き起こす乳酸を分解します。
- ニコチンなどのタバコに含まれる有害物質を解毒します。
- 古くなった赤血球を脾臓と協力して破壊します。この際にビリルビンが生成されます。
- 体内で不要になったホルモンを分解します。
- 骨髄で必要な赤血球を作るための葉酸やビタミンB12を蓄えます。そのため肝臓の機能が低下すると貧血を引き起こすことがあります。(巨赤芽球貧血)
- 赤血球に必要な鉄分を肝臓で貯蔵し、鉄が不足した時の蓄えになります。
- ビタミン類を貯蔵したり活性化します。肝臓の様々な化学反応の際に利用されるのがビタミンです。レバーにビタミンが豊富なのはこのためです。
- 肝臓にある免疫細胞(マクロファージと言われるクッバー細胞)が、門脈をとおって肝臓に入ってきた異物を貪食(どんしょく:食べて片付けること)し排除します。
- 肝臓に存在するNK(ナチュラルキラー)細胞ががん細胞やウイルスに感染した細胞を退治します。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。