NASH:ナッシュの診断基準を薬剤師が簡単にわかりやすく説明

他の疾患を除外して、肝生検を行いNASHの確定診断が行われる。

NASH(ナッシュ : nonalcoholic steatohepatitis)は、アルコールが原因ではない脂肪肝であるNAFLD(ナッフルド、ナッフルディー : nonalcoholic fatty liver disease : 非アルコール性脂肪性肝疾患)の2割に起きる疾患です。

アルコール性脂肪肝と比べて肝線維症、肝硬変、肝がんへ進行しやすい病気で、近年注目されるようになってきました。

この記事では、NASHの診断基準について簡単にわかりやすく説明します。
ご覧ください。

スポンサーリンク

NASHの診断条件


NASHを診断するために、基本的には以下の条件が揃うとNASHと診断されます。

  1. 血液検査異常
  2. 超音波検査異常
  3. 他の肝臓の疾患がない
  4. 飲酒歴、薬の服用歴がない
  5. 肝生検

それぞれ簡単に説明していきます。

スポンサーリンク

血液検査


健康診断などの血液検査で肝機能の数値に異常が見つかることで、肝臓の異常が発見されます。
血液検査の肝機能の項目には、ASL(=GOT)、ALT(=GPT)、γ-GTPなどがあります。
いずれも肝細胞に存在する酵素です。

アミノ酸の代謝にかかわります。
肝臓に障害が起きてくると肝細胞に存在する酵素が血中に流れ出てこれらの数値が上昇します。

【基準値】
ASL:10~30U ALT:5~30U γ-GTP:5~40U

超音波検査


エコー検査とも言います。
血液検査で肝臓に異常が見つかると、超音波検査を行うことがあります。

必ず行われるわけではありませんが、超音波検査により中性脂肪の有無を確認したり、脂肪肝や肝炎の程度を画像で確認することで肝臓の障害がどの程度まで進行しているかを確認したりします。

ただし、超音波検査では3割以上の中性脂肪が蓄積しないと脂肪の蓄積を確認することができません。

他の肝臓の疾患


他の病気を除外するためにもう一度、血液検査を行います。

健康診断では調べられない項目を検査することでウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、ヘモクロマトーシス、ウィルソン(wilson)病、などの他の肝臓の病気が隠されていないかを確認します。

  • ウイルス性肝炎
    ウイルス感染によって起きる肝炎です。A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎の5種類あります。
  • 自己免疫性肝炎
    自分の持つ免疫が肝臓を異物とみなして攻撃することで生じる肝炎です。
  • 原発性胆汁性肝硬変
    自分の持つ免疫が胆管を異物とみなして攻撃することで生じる肝炎です。
  • ヘモクロマトーシス
    鉄が肝臓に蓄積していく疾患です。
  • ウィルソン病
    銅が肝臓に蓄積していく疾患です。

飲酒歴・服用歴


アルコール摂取量1日20g以上(男性は30g)摂取していないかを問診します。

これ以上摂取しているのであれば、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎と診断されます。

アルコール20gというのは、

  • ビール中瓶1本(500ml)
  • 日本酒1合(180ml)
  • 焼酎0.6合(110ml)
  • ウイスキーダブル1杯(60ml)
  • ワイン4分の1本(180ml)
  • 缶チューハイ1.5缶(520ml)

が目安になります。

薬の服用によっても肝臓に障害が出る可能性があります。
問診を行い、疑われる薬を服用していないかを確認する必要があります。

【脂肪肝が起きる可能性のある薬】

  • HIVの薬
    インジナビル(商品名:クリキシバン)、リトナビル(商品名:ノービア)、
  • リウマチの薬
    メトトレキサート(商品名:リウマトレックス)
  • テトラサイクリン系抗生物質
    ミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)
  • 抗てんかん薬
    バルプロ酸ナトリウム(商品名:デパケン)
  • 抗不整脈薬
    アミオダロン(商品名:アンカロン)

スポンサーリンク

肝生検


肝生検というのは、細い針を肝臓に刺して肝細胞の一部と取り出し細胞の様子を実際顕微鏡で観察する検査です。
これを行わないと確定診断することができません

肝細胞が中性脂肪により大きく膨らんで炎症が起きているようだとNASHと診断されます。
肝生検は必ず行われるわけではありませんが、進行する可能性が高い人には推奨されます。

以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

スポンサーリンク

おすすめ記事

フォローする