マクロライド系抗生物質とは?薬剤師が特徴を簡単にわかりやすく説明

マクロライド系抗生物質クラリスロマイシンと睡眠薬ベルソムラは併用禁忌である

マクロライド系抗生物質の特徴について簡単にわかりやすく説明します。

まず、簡単に理解できるように下手ですが漫画をつけました。
ご覧ください。

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漫画~マクロライド系抗生物質~

マクロライド系抗生物質とは1マクロライド系抗生物質の作用機序2マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシンとアジスロマイシン)3マクロライド系抗生物質の処方例(風邪、肺炎、ピロリ菌)4

以上が漫画になります。

もう少し詳しく知りたい方 は、関連記事の下に漫画では説明しきれなかったことを書きました。
ご覧ください。

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マクロライド系抗生物質とは?

マクロライド系抗生物質が何かを説明するために、エステル結合から説明していきます。

エステル結合とは、1つの炭素(C)と2つの酸素(O)が結合した原子同士の結びつきのうちの一つです。(元素で書くとC-O-O)

エステル結合を含んで構造式(原子レベルでの物質の形)が輪になったものをラクトン環といいます。

そして、その輪が12角形(12員環)以上のラクトン環をマクロライド環といいます。

マクロライド環をもつ細菌を退治する作用のある物質をマクロライド系抗生物質といいます。

マクロライド系抗生物質の一覧

14員環

  • エリスロマイシン(商品名:エリスロシン)
  •  ロキシスロマイシン(商品名:ルリッド)
  • クラリスロマイシン(商品名:クラリス、クラリシッド)

15員環

  • アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)

16員環

  • スピラマイシン(商品名:アセチルスピラマイシン)
  • ジョサマイシン(商品名:ジョサマイシン)
  • ロキタマイシン(商品名:リカマイシン)

代表的なマクロライド系抗生物質の特徴

エリスロシン

最初に登場したマクロライド系抗生物質です。
現在ではほとんど処方がありません。

なぜなら、他のマクロライド系抗生物質の方が効果が高く、副作用が少ないためです。

僕の薬局でも在庫していません。

クラリス

クラリスは非常に処方頻度が高いです。
風邪で処方されることが多いです。

ピロリ菌の除菌にも使用されます。

腸管からの吸収がよく、胃酸に安定です。
併用すると問題のある薬が多く注意が必要です。

ジスロマック

ジスロマックも非常に処方頻度が高いです。
風邪で処方されることが多いです。

ジスロマックは作用時間が長く、3日飲めば7日作用が続きます。
また他の薬との飲み合わせで問題のあるものが少ないです。

マクロライド系抗生物質の作用機序は?

マクロライド系抗生物質は、細菌がタンパク質を合成するのを阻害します。

タンパク質は生命活動の維持に使用される重要な物質です。
タンパク質の合成を邪魔された細菌は増殖することが難しくなります。

細菌の増殖を抑制する作用を静菌作用といいます。
(これと反対の概念が殺菌作用 ・・・細菌を退治する作用)

もう少し、細かく説明するとマクロライド系抗生物質は、細菌のリボソームという器官に働きます。

このリボソームは、タンパク質が作られる場所です。
リボソームは人間も持っています。

しかし、人間と細菌のリボソームは構造が異なります。
構造が異なるため、マクロライド系抗生物質は細菌に対してだけ特異的に効果を発揮します。

マクロライド系抗生物質は、細菌のリボソームの50Sサブユニットというところに作用します。
このサブユニットを持っていない細菌には効果がないということです

マクロライド系抗生物質の副作用は?

消化器症状

代表的なものとしては腹痛や下痢などの消化器の副作用がでることが多いです。

これは、抗生物質が腸内細菌のバランスを崩すためです。
そのため予防として整腸剤も一緒に服用することもあります。

肝機能障害

薬は肝臓で分解されることが多いです。

肝臓に負担がかかると、肝機能障害の副作用がでることもあります。
具体的には、ALT(GPT)、AST(GOT)、γGTP、LDH、Al-Pの検査値が上昇したり、黄疸がでることがあります。

重大な副作用

症状が重い副作用は

  • アナフィラキシーショック
  • 偽膜性大腸炎
  • 中毒性表皮壊死融解症

などがあります。

これらの副作用は、マクロライド系抗生物質以外の抗生物質にも起こる副作用です。
消化器以外の副作用が起きる確率は非常に低いです。

マクロライド系抗生物質との飲み合わせ

ベルソムラとの併用

マクロライド系抗生物質の中でも、クラリスは飲み合わせに注意が必要です。
併用禁忌(絶対に一緒に服用してはいけない)の薬が多いです。

薬剤師をやっていてよく見る併用禁忌は、クラリスとスボレキサント(商品名:ベルソムラ)です。
ベルソムラは睡眠薬です。

この2つを併用するとクラリスが、CYP3A4(ベルソムラを分解するための酵素)を阻害することでベルソムラの血中濃度が上がります。

そうなると、ベルソムラの効果が強く出てしまい、朝起きた時などにふらつきや転倒を引き起こすことがあり危険です。

クラリスとベルソムラを一緒に処方する医師はさすがにいないと思いますが、他院でベルソムラを服用しているかチェックしきれていない医師は結構多いと感じます。

併用薬は必ず医師と薬剤師に伝えるようにしましょう。

ジュースやムコダインとの併用

またクラリスですが、この薬の粉薬も子供によく処方されます。
この薬を服用するときの注意点ですが、酸性のものと混ぜないようにしましょう。

なぜなら、コーティングがはがれて苦味が出るからです。

酸性のものとは、オレンジジュース、スポーツドリンク、ヨーグルトなどです。
痰切りの薬であるカルボシステイン(商品名:ムコダイン)と混ぜてもコーティングがはがれて苦味がでます。

あとがき

マクロライド系抗生物質の主役は、ジスロマックとクラリスです。
登場回数が多いからです。

そして、クラリスは飲み合わせに注意が必要なケースが多く、ジスロマックは飲み合わせに注意するケースは少ないです。

いずれも昔からある薬で使用頻度が高かったので現在では耐性菌が問題となっています。
最近では、マイコプラズマ肺炎という病気が話題になっていました。

この病気は肺炎マイコプラズマという細菌が引き起こします。

この細菌に対して使用される第一選択薬がマクロライド系抗生物質です。
なかでもクラリスがよく処方されていました。

しかし、近年は耐性菌が出始めてクラリスが効かない患者が増えてきました。

抗生物質の乱用を避けるためにも医師の指示なく、自己判断で服用するのは絶対にやめてください。

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