子育てママ
『子供が将棋に興味を持ったみたい。
それは、うれしいけど、どうやって教えればいいのかしら?
私自身そんなに将棋くわしくないし・・・』
最近は、藤井聡太のニュースで、将棋に興味をもつ親や子供が増えています。でも、将棋を教えると言っても駒の動きは多様ですし、さまざまなルールもあります。そのため、どのように将棋を教えていけばいいのか、正直、悩んでしまうでしょう。
ところが、子供に将棋を上手に教えるのは意外と簡単です。少しの工夫で子供の興味を維持したまま教えることができます。
この記事では、子供への将棋の上手な教え方と教える時の注意点についてまとめました。また僕の実体験もところどころで書きました。

上手な将棋の教え方
子供へ上手に将棋の教えるには、以下の順番で教えるとうまくいくでしょう。
- 将棋盤の準備
- 親が将棋を学ぶ
- おもちゃで最低限のルールを教える
- 本格的な駒の動かし方を教える
- 実戦で教える
- 本で教える
順番に解説していきます。
1.将棋盤の準備
まずは、将棋盤がなければ何もできないので、将棋盤を準備しましょう。
とはいっても、そんなに高い将棋盤をはじめから買う必要がありません。今では、将棋盤は100円ショップでも売っていますし、コンビニでも売っているところがあります。
ただ、せっかくなので将棋盤のおすすめを書かせてもらいます。
子供が幼児くらいにまだ小さいのであれば、最初は簡易的な将棋がよいでしょう。有名なのはどうぶつ将棋です。本来の将棋はマス目が9×9の81マスですが、どうぶつ将棋は3×4の12マスしかありません。駒の種類も4種類しかなので、はじめるには最適でしょう。
どうぶつしょうぎ Let’s catch the lion ([バラエティ])
小学生の子供であれば、くもんのNEWスタディがおすすめです。これは駒ごとに動かし方が矢印で書かれているので、とってもわかりやすいです。

2.親が将棋を学ぶ
将棋盤を準備して次にやるべきことは、子供よりも先に親が将棋のルールを知ることです。
親がルールを理解していなければ教えられるはずもありません。本でもインターネットでもいいのでルールを知りましょう。
子供と一緒に覚えていけばいいと思う人もいるかもしれません。でも子供に将棋ができるところを見せて、最初の目標を親を目標にしてくれると上達が早くなると思います。
ただ、すべてのルールを頭に入れろというわけではありません。ここでは最低限のルールを知っておく程度でいいです。
具体的には、以下のルールです。
- 駒の動かし方
- 王手の仕方
- 駒の成り方
子供が知っている少し先の知識を持っている程度で構いません。
さらに深い知識は子供の一歩先を行くくらいでいいので子供と一緒に上達していきましょう。

3.おもちゃで最低限のルールを教える
ここから子供に将棋を教え始めます。
とはいっても、いきなり81マスの盤上で8種類の駒の動きを理解するのは難しいでしょう。
そこで、まずは最低限のルールを教えまます。そのルールを以下にまとめました。
- 最初に並べるということ
- 始まる前にあいさつをするということ
- 手番が交互であること
- 駒によって動かし方が違うということ
- 相手の駒を取れる
- 王様を取れば勝ち(詰むということ)
- 終わった時にもあいさつをするということ
これらのルールを教えるのに役に立つのが1で紹介した、どうぶつ将棋ではないかと思います。
なければ、自作で作った3×4のダンボールと王、金、銀、歩を一つずつ使って教えるとよいです。また使う駒は、毎回選べたりするとおもしろいです。さらに3×4がつまらなくなるようでしたら、マス目を増やすと飽きずに遊べます。

4.本格的な駒の動かし方を教える
おもちゃの将棋に慣れてきたら、次は本格的な駒の動かし方を学びます。2では重視していなかった駒の動かし方を正確に教えてあげましょう。
駒の動かし方を早く理解させるのにおすすめなのは、1で紹介したくもんのスタディ将棋です。駒に動かせる方向が決まっているので遊んでいるだけで自然と覚えていくでしょう。
ただ、ぼくは息子(幼児)に、駒の動かし方を紙に書いてあげました。
目の前で駒の動かし方をA5の紙に書いて教えてあげたのです。書かれた漢字とそこから出ている矢印がおもしろいのか、息子は面白そうに見てくれていました。しばらくこの紙は、壁に貼っていました。

5.実戦で教える
次はついに実戦をはじめます。
ただ、2から4について長々と書きましたが、2から4に関しては、できるだけ時間をかけないようにしましょう。将棋は、実戦をする方が100倍楽しく、しかも勉強になるからです。
実戦では、まず親は王将だけ、子供はすべての駒を使って始めましょう。
ただ最初のうちは、子供も覚えている駒だけを使ってやってもいいと思います。
いろいろな駒を異なる動かし方で王様を捕まえに行くという楽しさを実感してもらいましょう。
ここで教えたい最低限のルールは以下の通りです。
- 駒の並べ方
- 相手の陣地にいけば裏返せるいうこと
- 取った相手の駒を使えるということ
- 二歩は反則
実戦を通して、相手の陣地に行けば裏返せる(成れる)、取った相手の駒は自分の駒として使える、しかし二歩は反則ということを教えてあげましょう。
駒の並べ方ですが、最初のうちは駒は並べてあげて、実戦の楽しさを味わってもらうことに焦点をあてましょう。覚えてきたらあなたと将棋をするために、自分で並べるようになっていくと思います。(息子がそうでした)。
最初のうち、教える反則は二歩だけで大丈夫です。
駒の動かし方をまだしっかり覚えていない内に、次々とルールを教えるとわけがわからなくなって楽しさが半減してしまいます。
6.本を教える
実戦に慣れてきたら、本を買って知識を補強してあげるのもいいでしょう。毎回毎回、親が相手してあげるのも難しいですしね。
本に関しては、無理に読ませず買って置いておくのがいいでしょう。または、あなたが子供の前で将棋の本を読んで勉強をすると、それが気になって勝手に本を読みだすこともあります。
とにかく、暇だなー、と思ったときにふと手を伸ばせる距離に将棋の本を置いてあげましょう。
僕がおすすめするのは、詰将棋の本と将棋の漫画です。
詰将棋は、自分の駒の動きに対して、相手の駒がどう動くのか予測する力を鍛えることができます。そして、将棋の漫画は、実戦では説明しきれなかったルールや反則について勉強してもらいましょう。
詰将棋に関しては1手詰めの本がおすすめです。基本である1手目と2手目を読む練習になります。
漫画の将棋の本は、この本がかなりわかりやすく読み進めることができます。
教える時の注意点
子供に将棋を教える時の注意点は以下の通りです。
- 強くならなくてよい
- とことん付き合ってあげる
- 勝ち負けは半々がよい
- 子供のさした手をけなさない
- 気分転換に他の将棋の遊び方も知ろう
- 大人同士で楽しんでいる様子を見せる
順番に説明していきます。
強くならなくてよい
将棋を教える一番の目的は強くなることではありません。
一番は楽しむことです。親と子が共通の趣味、話題を持ち、将棋をコミュニケーションのツールとするために教えるべきだと思います。この目的で教えるのであれば、以下の項目のように教え方はおのずと決まってくるのではないかと思います。
とことん付き合ってあげる
子供が将棋にはまってくると、将棋を指す相手は自然と親になります。
子供が将棋をやりたいと言ったら、必ず付き合ってあげましょう。
ぼくは子供のとき、父親と将棋をしたくて、父親が仕事から帰ってくる前に、将棋の駒を並べて準備をしていたものです。しかし、仕事に疲れた父はあまり相手にしてくれませんでした。結局、家族の中にぼくと将棋を指してくれる人がいなかったため、将棋教室に通うことになりました。教室に通ったことで強くなれたのはよかったですが、父親が将棋の相手をあまりしてくれなかったという寂しさは今でも覚えています。
勝ち負けは半々がよい
子供と将棋をすると、手加減をすべきが、本気を出した方がいいか迷ってしまいます。
ぼくは、勝ちと負けの数は半分半分がいいと思います。
やっぱり勝った時のうれしさと、負けたきの悔しさを両方知ってほしいからです。勝負に手加減は許さない、また、勝っちゃうと泣きわめいて困る、という親もいるでしょう。確かに、子供の性格に応じて対応は変わってくるかもしれません。
でも、あまり勝ちすぎると、将棋自体が嫌になってしまうかもしれません。また一方で、泣きわめくほどの悔しさを味あわせることも大切です。
藤井聡太は小さいころ、負けると、この世の終わりかというくらい号泣したようです。またテニスで有名な錦織圭も負けると大泣きしていました。
だから、勝ちと負けは半々くらいがいいでしょう。
子供のさした手をけなさない
子供と将棋を指しているとき、ついつい『その手はよくない』とか『こうした方がいい』とアドバイスしてしまいます。
でも、せっかく子供が考えてさした手を批判すると、子供の考える力を伸ばすのを止めてしまいます。
『よくない』というのではなく、『なぜその手をさしたのか?』とその考えに至った理由を聞いてあげましょう。
そうすることで、その一手に対してより深く考えることができますし、新たな発見を子供がするかもしれません。
理由を聞いたら特に意見せず、『なるほど~』と言ってあげましょう。
気分転換に他の将棋の遊び方も知ろう
将棋の駒を使っていろいろな遊びをすることができます。
- はさみ将棋
- 回り将棋
- 山崩し
- 将棋倒し
- かくし将棋
これらの遊びには地方ルールがあったりして、奥がとても深いです。
気分転換に他の将棋の遊び方があることもおしえてあげましょう。
大人同士で楽しんでいる様子を見せる
親子で将棋をやるだけではなくて、夫婦など大人同士で将棋を楽しんでいる様子を見せてあげましょう。大人たちが楽しんでいるものに、子供は自然と興味を持つはずです。
そして、大人同士の将棋のレベルが高いと、それを見た子供が自分も強くなりたいと思うようになるはずです。
ぼくの家では、父親(子供から見ればおじいちゃん)とぼくで将棋を指すことがあります。二人ともかなり熱中して将棋を指します。負けた―!くやしい!もう一回!と言っている姿が楽しく見えているのか子供も将棋をやりたがります。
まとめ
以上、子供への将棋の上手な教え方・注意点について説明してきました。
長くなりましたが、言いたいことは、楽しく将棋を指しましょうということ、そして、将棋の本などを使うよりどんどん実戦を楽しみましょうということです。
